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冬草
「冬草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冬草の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
こりゃあいよいよ油断が出来ねえ」 その頃の権田原は広い野原で、まだ枯れ切らない
冬草が、武蔵野の名残りをとどめたように生い茂って、そのあいだには細い溝川《どぶが....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
の太い腕を目にあててしまった。講堂は水を打ったようにしずまった、しぐれに打たるる
冬草のごとくそこここからなき声が起こった、とそれがやがてこらえきれなくなって一度....
「死者の書」より 著者:折口信夫
「おお此身は」と思った時に、自分の顔に触れた袖は袖ではないものであった。枯れ原の
冬草の、山肌色をした小な翼であった。思いがけない声を、尚も出し続けようとする口を....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てでもしまいたいような心地だった。城太郎のように、暴れ出したかった。そして、まだ
冬草の枯れたのが、背高く生い茂っている静かな陽だまりを見出すと、
「ああ」
と....