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「冷かし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冷かしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ええ、ちょいとその気になりゃなッたがね、商いになんか行くもんか。あの母親ッて奴を冷かしに出かける肝でさ。」 「そういう料簡だから、お前、南町御構いになるんだわ。....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
家にはいった。 一七 その後、吉弥に会うたびごとに、おこって見たり、冷かして見たり、笑って見たり、可愛がって見たり――こッちでも要領を得なければ、向....
深夜の市長」より 著者:海野十三
た。 「なかなか頑張り屋だのう。悪いことするだけあって……」 老人は褒めたのか冷かしたのか分らないような云い方をした。そのころ僕はようやくのことで、「深夜の市....
単独行」より 著者:加藤文太郎
ない、一人で通れたら首でもやろうという口振りで道がどうついているのか幾ら聞いても冷かし半分で教えてくれない。こんな人情のない人々がこの神聖な高山にいるのかと呆れ....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
飛んで行きたいんを、わが身から進んでそないに力んだかて阿房らしいやないか? て』冷かしてやったんけど大した意気込みで不平を云うとって、取り合わん。『こないなこと....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
笑う。」 「こわい、おじさん。お母さんだがいいけれど。……私がついていますから、冷かしはしませんから、よく、お拝みなさいましよね。 ――(糸塚)さん。」 「糸....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
れどもねえ、その位にさばけておくれだと、それこそお前さんの言草じゃあないが、誰も冷かしたり、なぶったりなんぞしないようになっちまうわね。え、貢さん、そうじゃない....
露肆」より 著者:泉鏡花
たからである。 橙背広のこの紳士は、通り掛りの一杯機嫌の素見客でも何でもない。冷かし数の子の数には漏れず、格子から降るという長い煙草に縁のある、煙草の脂留、新....
黒百合」より 著者:泉鏡花
博学で、恐らく大学に業を修したのであろうと、中学校の生意気なのが渡りものと侮って冷かしに行って舌を巻いたことさえあるから、教子も多く、皆敬い、懐いていたが、日も....
書記官」より 著者:川上眉山
て、善平は身を横にしながら、そうしたところを綱雄に見せてやりたいものだ。となおも冷かし顔。 ようございます。いつまでもお弄りなさいまし。父様はね、そんな風でね....
二つの鞄」より 著者:香倶土三鳥
はいつも小さな鞄を馬鹿にして、 「お前なんぞはおれの口の中に入ってしまう」 と冷かしました。 二つの鞄は同じ時に同じ人に買われて、同じ家に行きました。すると....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
風を作ろうと思立った時、偶然或る処で鴎外に会ったので一枚書いてくれというと、また冷かしの種にするんだろうと笑って応じてくれそうもなかった。「そんな事をいわずに墓....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
南はこの艶色|滴たる夫人を出来るだけ極彩色させて、近所の寄席へ連れてったり縁日を冷かしたりした。孔雀のような夫人のこの盛粧はドコへ行っても目に着くので沼南の顔も....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
「よし、では『京都府庁に汽車の時間割の打合せ事項あり』とするからそれでよいか」と冷かしたので、大喧嘩になったのであった。 万事がこうであるから、市長もまったく....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
味を持ちいつも不思議な話ばかり聞かせてくれるんです。平常の私でしたら嘲笑しながら冷かし半分にまぜっ返して聞くのが落ちですが、今は到底そんな気にはなれませんでした....