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冷やす
「冷やす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷やすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火葬国風景」より 著者:海野十三
る不思議! 火葬炉の中に、冷水装置がある!) 人体を焼こうとするところに、逆に
冷やす仕掛けがあるというのは、何と奇妙なことではないか。このとき彼はゆくりなく、....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
。われわれアジア人はわれわれに関して織り出された事実や想像の妙な話にしばしば胆を
冷やすことがある。われわれは、ねずみや油虫を食べて生きているのでないとしても、蓮....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
人は誰なんだ?」 「それが、寂蓮尼なんだよ」と法水は沈んだ声で答えて、熱した頬を
冷やすように窓際へ寄せた。 「たしか、あの日に寂蓮尼が、大吉義神呪経の中にある、....
「臨終まで」より 著者:梶井久
が無い程気分の悪い日と、また少し気分のよい日もあって、それが次第に楽になり、もう
冷やす必要も無いと言うまでになりました。そして、時には手紙の三四通も書く事があり....
「城」より 著者:カフカフランツ
うか。そうやって長いこと鳴らしているがいいのだ。フリーダは、イェレミーアスの頭を
冷やすためにぬれた布をあてることにかかりきりなのだし、たといイェレミーアスがもう....
「博物誌」より 著者:岸田国士
と、彼らの幹は間隔をゆるめる。彼らは用心深く私を迎え入れる。私はひと息つき、肌を
冷やすことができる。しかし、私には、彼らがじっとこちらを眺めながら警戒しているら....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
ろの雪がたくさん取ってあるのを見たことを思い出したのです。 雪はおそらく死体を
冷やすために取ったのだろう。してみると、死体は風呂桶の中に雪詰めにしてあったに違....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
いぐらいで打ちきることにした。 七ヶ年もこんな荒っぽいことをしていたから、腰を
冷やす段ではない。全身を冷やしつづけたワケで、精子というものが冷気で死ぬなら、と....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
だが、選手として自らを任じて集まった勇猛の人々であるから、これしきの風景では胆を
冷やすような仁は一人もいない。しからばご免、と挨拶して競って箸をとり、椀の尻を握....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
う、何が旨い彼が好いと言ってからが、この味いはまた格別。それにこうして胆ッ玉まで
冷やすところなざァ江戸ッ児に持ってこいの代物、これでなくちゃァすべてがお話になら....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
あ、おれもどのくらい心配したか知れすかなし。御病気が御病気だから、井戸の水で頭を
冷やすぐらいは知れたものだと思って、おれはお前さまのために恵那山までよく雪を取り....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
が来る。いずれも全速力で来る。夜ふけたこの辺は昼間の雑踏の時よりもなか/\に肝を
冷やす事が多い。 その路傍の暗い所に薄暗い灯をともした支那そばの店がある。其店....
「量的と質的と統計的と」より 著者:寺田寅彦
ついた「藁ぐらいの大きさの」管を水中に入れて「あたためると」ぶくぶく「泡が出」、
冷やすと水が管中に「上る」ことであった。また、銅球の中の水を強く吸い出すと急に高....
「黴」より 著者:徳田秋声
、笹村はそれを書斎の方へ運ばした。そして独りで寂しい安易な晩飯を取った。夜も冷や
冷やする寝床のなかで、やっとうとうとしかけた眼がふと覚めると、痛いほど疲れた頭が....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ってしまったわけだ。タオルで頭にはち巻きをさせて、三人の女が総がかりで脳天を氷で
冷やすという騒ぎだ。そこへ突然、伝令が帳簿と『即刻、二時間以内に官金を提出すべし....