冷や汗[語句情報] »
冷や汗
「冷や汗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷や汗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
部の鈍痛も、急に痛みが止まってしまって、からだ全体がしびれるようにしゃちこばって
冷や汗が額にも手にもしとどに流れた。葉子はただ一つの慰藉《いしゃ》のようにつやを....
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
った。その文句は今でも覚えているがその意味に至っては今にわからない。思い出しても
冷や汗が流れる。しかしとにかくこんな西洋くさい遊戯が明治二十年代の土佐《とさ》の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いた。さらに三条大橋のたもとまで送って行った。その河原は正香にとって、通るたびに
冷や汗の出るところだ。過ぐる文久三年の二月、同門の師岡正胤ら八人のものと共に、彼....
「足迹」より 著者:徳田秋声
で、急いで堤について左の方へ道を折れた。店屋の立て込んだ狭い町まで来た時、お庄は
冷や汗で体中びっしょりしていた。 湯島の家では、衆が入口まで出て来て、異ったお....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
んだ時に、当時の自分のどこかに知らぬ間に潜んでいた弱点を見抜かれたような気がして
冷や汗が流れた。 その次にまたこんな事がかいてある。 「自分を発展しなくてはや....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
ものはどこにも求められない。時局あて込みの幕末ものの字幕のイデオロギーなどは実に
冷や汗をかかせるものである。現代の大衆はもう少しひらけているはずであると思う。も....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
聞ではたいした「世界的」な研究になったり、ラジオでまで放送されて、当の学者は陰で
冷や汗を流すのである。この新聞記事を読んだ人は相当な人でも、あたかも「椿の花の落....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
されることを何よりもこわがっている。どうかして間違ってこの災害にかかると、当人は
冷や汗を流して辟易し、友人らはおもしろがってからかうのである。せっかくの研究が「....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
ものの映画でおもしろいと思うものにはめったに出会わない。たいていは退屈でなければ
冷や汗の出るようなものである。しかし近ごろ見た「一本刀土俵入り」だけはたしかに退....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
生はたいそう金持の藩になったじゃろう、だのとナ、口々に祝いをのべて帰りおったぞ。
冷や汗が流れた、ハッハッハ」
「それにつけましても」
と、うれいのこもる眉をあ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。
彼は息を切らして小屋の所へ帰ってきた。足もまっすぐには立てなかった。腰には
冷や汗が流れていた。
いま自分はどこにいるのであろう。パリーのまんなかにこんな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
違いない。」
彼女は着物を着、庭におり、腰掛けの所に走って行ったが、ぞっと身に
冷や汗を感じた。石はそこにあった。
しかしそれは一瞬間のことだった。夜に恐怖を....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の手欄に支えられているのに気がついた時、初めて僕はぞっとして髪が逆立つと同時に、
冷や汗が顔に流れるのを感じた。といって、僕は少しもそれを恥辱とは思わない。だれで....
「玉振時計の秘密」より 著者:小酒井不木
針は器械が破損したために少しも動きませんでした。彼は再びぎょっとしました。全身に
冷や汗がにじみ出るのを覚えました。しかし、彼は再び冷静な心を取り戻して、針の軸の....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
る。 私は老船長の手紙を時々出して読みかえす。そして私の過去をふりかえってみて
冷や汗の出る思いをする。私だって貧しい人や困った人に物を与えたことがある。けれど....