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冷罵
「冷罵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷罵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
の妻と、それから地面の下に埋《うず》められたKの新しい白骨とを思い比べて、運命の
冷罵《れいば》を感ぜずにはいられなかったのです。私はそれ以後決して妻といっしょに....
「行人」より 著者:夏目漱石
った。どうせ強情な三沢の事だから、聞けばきっと馬鹿だとか下らないとか云って自分を
冷罵するに違ないとは思ったが、それも気にはならなかった。そうしたら実は「あの女」....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
。
七
吾輩は近頃運動を始めた。猫の癖に運動なんて利《き》いた風だと一概に
冷罵《れいば》し去る手合《てあい》にちょっと申し聞けるが、そう云《い》う人間だっ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
文人の生活は極めて呑気に思われる。ノホホンだの後生楽だの仙人だの若隠居だのという
冷罵を我々は何百遍何千遍も浴びせられた。が、我々は不自由な郊外生活を喜んで、毎日....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
職業たらしむるだけの報償を文人に与えずして三文文学だのチープ・リテレチュアだのと
冷罵するのみを能事としていて如何して大文学の発現が望まれよう。文学として立派に職....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
人物思想、本領を併せ得て十二分に活躍せしめて居るのみならず、寸鉄人を殺すの警句、
冷罵、骨を刺すの妙語、紙上に相踵ぎ、殆ど応接に遑まあらぬのである。 併し先生自....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
じめは五十七、いそなの磯菜。 「ヘン笑かすぜ、」「にやけていやがる、」友達が熱笑
冷罵する。そこで糸七としたのである。七夕の恋の意味もない。三味線の音色もない。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
下の政治を人気商売として優倡《ゆうしょう》の徒に委するに似たり、と勤王系の志士が
冷罵したのを兵馬は覚えている。 それは天下国家のこと。兵馬の現在は、当分、この....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ましたね、早くお癒《なお》しなさらなくてはいけません」 「癒るものか」 それは
冷罵《れいば》の語気であります。 「癒らないことはございますまい」 「癒るものか....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
らく彼は誰の前にも繰返すお定まりの言詞を繰返したに過ぎないだろう。ただそれがQの
冷罵とペルゴレシの音楽とのすぐ後に出くわしたばかりに、偶然自分の子供らしいイーゴ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
それから彼は直ちに冷静に返って、頭の中にいっぱい乱れてる考えのすべてを、ほとんど
冷罵《れいば》のような一息の強い単語で言い放った。
「よし、よし、よし、よしっ!....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
それを、(そうであろう)を(そうであった)にして、鵜呑《うの》みにしてしまって、
冷罵《れいば》するのはあまりの呵責《かしゃく》ではあるまいか。 そのまた片っぽ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
―絵本と筋書 団十郎の活歴 求古会――前代未聞の椿事――行儀の好い観客――一種の
冷罵――高時天狗舞 千歳座見物 五代目菊五郎――青木活版所――菊五郎の部屋――流....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
倒したもので、殊に「息を切らずに御読下し被下度候」は談林の病処を衝いた痛快極まる
冷罵であった。 緑雨が初めて私の下宿を尋ねて来たのはその年の初冬であった。当時....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
んぐり返しを打って雨の中に投げ出された。 「ざまア見ろ。淫売《いんばい》め。」と
冷罵《れいば》した運転手の声も驟雨の音に打消され、車は忽《たちま》ち行衛《ゆくえ....