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「冷視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冷視の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ヒスムス)となり、一転して異性の汚物愛好(コプロラグニー)に進み、異性よりの侮蔑冷視(エキシビステンその他)等の経過を見て結局、前者と同様の結末に陥り来るべきは....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
ら」 という情ない心境をその日に焼けた鼻に表現しておりまするために、人々に嘲笑冷視を以て迎えられております。 彼等はこれを知らずして只|徒らに天を仰いで空し....
しかし昔にはかえらない」より 著者:宮本百合子
すいこと、或は金の出せないことについて、従来のような経済主義一点ばりで非難され、冷視されることも、いくらか減ってゆくかもしれない。 商品生産を目標としない文学....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
によりて導かるるところの、正しき道であると信ずる。思うに我等の教は懐疑者によりて冷視せられ、無智者によりて罵られ、又頑冥者流によりて異端視されるであろう。しかし....
同感」より 著者:豊島与志雄
淡だったりすることだった。狆のように戯れかかられる時には、眉をひそめ、狼のように冷視される時には、好餌で誘った。云わば彼は、狼に狆の眼付を持たせることに、或は狆....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
たく、そこだけが刳り抜かれ、業そのもののような生気が皺の波からほとばしっている。冷視、憎悪、侮蔑、嘲笑――そういった色が読みとれるような、また、謙吉の罵りに義憤....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いしれてしまうことはないであろう。かえって、物語を綴り縫う謎の一つ一つに、一脈の冷視をそそぐことができると信ずるのである。 ラインの河畔ウオルムスの城に、クリ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
時に崛起して雄を競うていた。二葉亭は『浮雲』以後全く韜晦してこの文壇の気運を白眼冷視し、一時|莫逆を結んだ逍遥とも音信を絶していたが、丁度その頃より少し以前、逍....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
てきた。 お綱は、冷えた茶をグッとすすって、苦っぽい笑みでお十夜の剣幕を斜めに冷視した。 こうした脅迫をうければうけるほど、お綱の意地は捻けるばかりで、むし....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
りたいと思えば、いつでも踊るのが人間の当り前な動作で、それを、賢そうな顔をして、冷視している人間なぞはいなかったろうと思うよ」 「そうかな?」 「そうとも、本能....
私本太平記」より 著者:吉川英治
に立って、なお和睦に望みをかけて奔命していた細川|顕氏や畠山国清のはからいなども冷視しながら、徐々に、北陸の大軍を、何の目的か、東国方面へ移動させ始めていた。そ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
もう盛者必衰の芽が育ちかけていた。古典の筆者はじつに苛酷なほど現世現実なるものを冷視する。といって、ただのむなしい虚無ではない。東洋的な身の処置と生き方は切々と....