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「冷評〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冷評の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
ので、その通り書いてやった。宛名が女なので、「隅へは置けないぜ」とか何とか云って冷評《ひやか》したら、「これは手前の姉でございます」と答えた。すると三日ばかりた....
」より 著者:芥川竜之介
加え合っていた。ただ僕等の友だちの一人、――Kと云う医科の生徒だけはいつも僕等を冷評《れいひょう》していた。 「そんな議論にむきになっているよりも僕と一しょに洲....
路上」より 著者:芥川竜之介
かない。殊にこの頃のように俗用多端じゃ――」 こう云いかけた野村の眼には、また冷評《ひやか》されはしないかと云う懸念《けねん》があった。が、俊助は案外|真面目....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
を下して、「文明は保守的なり」といったのは、よく這般《しゃはん》のいわゆる文明を冷評しつくして、ほとんど余地を残さぬ。 予は今ここに文明の意義と特質を論議せむ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、学校でも皆が評判をするんですもの、人が悪いのはね、私の事を(お酌さん。)なんて冷評すわ。」 「結構じゃありませんか。」 「厭だわ、私は。」 「だって、貴女、先....
新世帯」より 著者:徳田秋声
先方じゃもうすっかり気に入っちゃって、何が何でも一緒にしたいと言うんです。」 「冷評しちゃいけませんよ。」と新吉はやっぱりザクザクやっている。気が気でないような....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
はない。遊女あがりの女をと気がさして、なぜか不思議に、女もともに、侮り、軽んじ、冷評されたような気がして、悚然として五体を取って引緊められたまで、極りの悪い思い....
青草」より 著者:十一谷義三郎
鎖りや草笛に誘われていっしょに道草を食ったり、それからもちろん意地の悪い友だちの冷評と楽書きの的となったりしつつ彼らは毎日愉快であった。 彼女も兄に対してはも....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
んが逢いにいらっしゃったではありませんか。」 など遣ったものだが、あえてこれは冷評したのではない。その証拠には、小松原と一足|違に内を出て、女子扇と御経料を帯....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
手は、あんまり可笑しいので、 「先生大変お様子がよろしいじゃありませんか。」 と冷評したが何とも返事もしないで相変らず首を振っている。 「どうしたんだろう。それ....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
で聞いている一団が三階席にいた。三階席の中央部にいた男女一団の学生達である。私は冷評悪罵にあつまる廊下の見物人をぬけて三階席に上って行った。みんな緊張して見てい....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
いていたが、済んでから、先生の謡はどうかしたところが大変|拙いなどと漱石氏の謡に冷評を加えたりした。そうすると漱石氏は、拙くない、それは寅彦に耳がないのだ、など....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
を着けたお悦が、まだ驚いた事には、――紅屋で振舞った昨夜の酒を、八郎が地酒だ、と冷評したのを口惜がって、――地酒のしかも「剣」と銘のある芳醇なのを、途中で買って....
ハイカラ考」より 著者:木村荘八
者石川半山、ハイカラーといふ語を紙上に掲げ、金子堅太郎のごとき、洋行帰りの人々を冷評すること度々なりし。泰西流行の襟の特に高きを用ゐて済まし顔なる様、何となく新....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
う。何という名だ。」 「たしかお葉と云いました。」 「お葉か。忠一が今度帰ったら冷評て与ろうよ。」 「詰らない。お止しなさいよ。あれでも表面は真面目なんですから....