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「冷静〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冷静の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
をつけ。嘘を……」 伝吉は必死に罵《ののし》りかけた。が、浄観は反対に少しずつ冷静に返り出した。 「何が嘘じゃ? この村のものにも聞いて見るが好《よ》い。己は....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
が、殊に私が可笑《おか》しいと同時に妬《ねた》ましいような気がしたのは、あれほど冷静な学者肌の三浦が、結婚後は近状を報告する手紙の中でも、ほとんど別人のような快....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いる時分だった。洋一はある日慎太郎と、トランプの勝敗から口論をした。その時分から冷静な兄は、彼がいくらいきり立っても、ほとんど語気さえも荒立てなかった。が、時々....
路上」より 著者:芥川竜之介
新田が羨しかった。が、二人に対する新田の態度はほとんど事務的とも形容すべき、甚だ冷静なものだった。同時にまた縞の背広に地味な襟飾《ネクタイ》をした彼の服装も、世....
或る女」より 著者:有島武郎
る牧師を方便にしたりして、あらん限りの知力をしぼった懐柔策も、なんのかいもなく、冷静な思慮深い作戦計画を根気《こんき》よく続ければ続けるほど、葉子は木部を後ろに....
或る女」より 著者:有島武郎
った所は見えなかった。いかに恋に目がふさがっても、葉子はそれを見きわめるくらいの冷静な眼力《がんりき》は持っていた。そんな事は充分に知り抜いているくせに、おぞま....
私の父と母」より 著者:有島武郎
感情的であり、母は理性的であるように想う。私たちの性格は両親から承《う》け継いだ冷静な北方の血と、わりに濃い南方の血とが混り合ってできている。その混り具合によっ....
星座」より 著者:有島武郎
て、兵隊脚絆《へいたいきゃはん》をはいていた。二十四五とみえる男で支那人のような冷静で悧巧な顔つきをしていた。それが手ごろの風呂敷包を二枚の板の間に挾んで、棒を....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
るに支那事変の進展中に、高度国防国家建設は、たちまち国民の常識となってしまった。冷静に顧みれば、平和時には全く思い及ばぬ驚異的変化が、何の不思議もなく行なわれて....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
。冥土で待てよ。(と立直る。お百合を抱ける、学円と面を見合せ)何時だ。(と極めて冷静に聞く。) 学円 (沈着に時計を透かして)二時三分。 晃 むむ、夜ごとに見れ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
って小間使に謝したけれども、今瞳を据えた、パナマの夏帽の陰なる一双の眼は、極めて冷静なものである。小間使は詮方なげに、向直って、 「お嬢様、お茶を入れて参りまし....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ゃない、死んでしまうこと……でもないかな。 花田 つまり、こうだ、いいか。頭を冷静にしてよく聞け。いいか。ともちゃんに選ばれた奴は実はその選ばれた奴の弟なんだ....
山吹」より 著者:泉鏡花
む)髪もこんなにぐるぐる巻にしたんです。 画家 ははあ。(いぶかしそうに、しかし冷静に聞くのみ。) 夫人 先生。(番傘を横に、うなだれて、さしうつむく。頸脚雪を....
三枚続」より 著者:泉鏡花
、筆に墨汁を含ませつつ控えたり。 薬の薫は床に染み、窓を圧して、謂うべからざる冷静の趣。神社仏閣の堂と名医の室は、いかなる者にも神聖に感じられて、さすがの愛吉....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
持ち合わせもないくせに「革新」「革新」と観念的論議のみを事とする日本の革新論者は冷静にかかる事を考うべきであろう。 4、給養法の変化 国民軍隊となったことは....