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「凄まじい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凄まじいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
が早いか、気違いのように椅子から立ち上った。彼の顔には、――血走った眼の中には、凄まじい殺意が閃《ひらめ》いていた。が、相手の姿を一目見るとその殺意は見る見る内....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
と何かを考えようとした。が、何を考えるのだか、彼自身にもはっきりしなかった。ただ凄まじい雨の音が、見えない屋根の空を満している、――それだけが頭に拡がっていた。....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
よいよ暗くなった。風雨も一層力を加えた。そうして――突然彼の眼の前が、ぎらぎらと凄まじい薄紫《うすむらさき》になった。山が、雲が、湖が皆|半空《はんくう》に浮ん....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
と、仕事を仕損じた掏摸《すり》より早く、電車を飛び降りてしまいました。が、何しろ凄まじい速力で、進行していた電車ですから、足が地についたと思うと、麦藁帽子が飛ぶ....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
いた。そのうちに××は大うねりに進路を右へ曲げはじめた。同時にまた海は右舷全体へ凄まじい浪を浴びせかけた。それは勿論あっと言う間に大砲に跨った水兵の姿をさらって....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ぜんずつ食ったものを、つまらねえ、これじゃあ食いたりねえ。喜多八、はたごが安いも凄まじい。二はいばかり食っていられるものか。弥次郎……馬鹿なつらな、銭は出すから....
朱日記」より 著者:泉鏡花
込んだ硝子窓がびりびりと鳴って、青空へ灰汁を湛えて、上から揺って沸立たせるような凄まじい風が吹く。 その窓を見向いた片頬に、颯と砂埃を捲く影がさして、雑所は眉....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
の上へ、鉛を鎔かす炉の熱火が、赫々と反射していた。赤ともつかず、黄ともつかぬ其の凄まじい色彩は、湯のように沸っている熔融炉の、高温度を、警告しているかのようであ....
蠅男」より 著者:海野十三
、突然カーテンの蔭に引込んだ。まあよかった――と思う折しも、いきなりガチャーンと凄まじい音響がして、その窓の硝子が壊れてガチャガチャガチャンと硝子の破片が軒を滑....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
、薄い水脚が立った、と思うと、真黒な面がぬいと出ました。あ、この幽艶清雅な境へ、凄まじい闖入者! と見ると、ぬめりとした長い面が、およそ一尺ばかり、左右へ、いぶ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ら掛けて柱へその西瓜を極めて置いて、大上段です。 ポカリ遣った。途端に何とも、凄まじい、石油缶が二三十|打つかったような音が台所の方で聞えたんです。 唐突で....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
連車も人を驚かせるが、この踊り屋台然たる戦車の上に六人の銃手が銃口を揃えてるのは凄まじい。天下の管領の軍隊だから葡萄牙人よりも先に何百挺何千挺の鉄砲を輸入しても....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ッて、花がるたを買いに来まさ。何だ畜生、上野の下あたりに潜ってやあがって、歌読も凄まじい、糸瓜とも思うんじゃあねえ。茄子を食ってる蟋蟀野郎の癖に、百文なみに扱い....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
せずベロンベロンと掻鳴らし、勝手な節をつけては盛んに平家を唸ったものだ。意気込の凄まじいのと態度の物々しいのとに呑まれて、聴かされたものは大抵|巧いもんだと出鱈....
あの顔」より 著者:大倉燁子
なりそこにあった人形を叩きつけ、力を込めて手足をばらばらに引きちぎりました。その凄まじい権幕に私は夢中で庭へ飛び降りて逃げ出しました」 「愛子さんをどうしました....