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「凄涼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凄涼の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
を入りぬ。 三 夜《よ》はすでに十一時に近づきぬ。磧《かわら》は凄涼《せいりょう》として一箇《ひとり》の人影《じんえい》を見ず、天高く、露気《ろ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
する如何というのみ、詩に曰く風雨|晦《くら》し、鶏鳴いてやまずと、もとこれ極めて凄涼《せいりょう》の物事なるを、一たび点破を経れば、すなわち佳境と作《な》ると。....
根岸庵を訪う記」より 著者:寺田寅彦
るとなんでもこれは其処で情夫に殺された女か何かの供養に立てたのではあるまいかなど凄涼な感に打たれて其処を去り、館の裏手へ廻ると坂の上に三十くらいの女と十歳くらい....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
蔵へ密入国して、ラッサ(聖都)に達するまでの苦行は、玉井喜作のそれよりも荒々しく凄涼としていて、幸も不幸ももろともにおし潰してしまう悲劇的な宿縁の翳といったよう....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
きを 曳手・単節 荒芽山畔路叉を成す 馬を駆て帰来る日|斜き易し 虫喞凄涼夜月に吟ず 蝶魂|冷澹秋花を抱く 飄零暫く寓す神仙の宅 禍乱早く離る夫婿の家....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
はこれを巧みに用い、これら不浄の物をして殺風景ならしめざるのみならず、幾多の荒寒凄涼なる趣味を含ましむるを得たり。 大《だい》とこの糞ひりおはす枯野かな いば....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。しかして、後方の連山は白雪なお皚々たり。風光雄大、眺望絶佳、これに加うるに満目凄涼蕭颯の趣ありて、太古の海山に接するの思いあり。その壮快実に極まりなし。ときに....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
詩を思起す。 秋花惨淡秋草黄。 耿耿秋燈秋夜長。 已賞秋窓秋不尽。 那堪風雨助凄涼。 助秋風雨来何速。 驚破秋窓秋夢緑。 ……………………… そして、わた....