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「凄烈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凄烈の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古典風」より 著者:太宰治
。兄は、一点非なき賢王として、カイザアたる孤高の宿命に聡《さと》くも殉ぜむとする凄烈《せいれつ》の覚悟を有し、せめて、わがひとりの妹、アグリパイナにこそ、まこと....
虚構の春」より 著者:太宰治
し能《あた》わぬほどの大混乱、火事よりも雷よりも、くらべものにならぬほどの一種|凄烈《せいれつ》のごったがえし。それらの光景は、私にとって、手にのせて見るよりも....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
然な形が、一方変貌という理論を、力づけていたのではないでしょうか」 それには、凄烈を極めた頭脳の火花が散るように思われたが、そこに達するまでの艱苦《かんく》に....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あの方なのでございますが」と伸子は苦しげに顔を歪めて、云うまい云わせようの葛藤と凄烈に闘っている様子であったが、やがて、決意を定めたかのように毅然と法水を見て、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れど、前のとは違って人の腸《はらわた》にピリピリと徹《こた》えるような勇敢にして凄烈《せいれつ》なる叫びでありました。 「や、あの声は?」 「狼ではないか」 「....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いのだからね」 然し、法水のどんより充血した眼を見ると、夜を徹した思索が如何に凄烈を極めていたか――想像されるのだが、そうして熊城の話を聴き終ると、その眼が俄....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ださえ痩せほうけた丹下左膳、それが近ごろの夜あるきで露を受け霜に枯れて、ひとしお凄烈《せいれつ》の風を増したのが、カッ! と開いた隻眼に残忍な笑いを宿したと思う....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
る犬の声でありました。 ウオオオオ! 虎の嘯くとよりは、竜の吟ずるがごとき、凄烈悲壮な声であります。 ウオオオオ! 三声を続けて鳴いたと思うと……雪をか....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
士の姿は帆柱のもとに、端然冷然と立っていた。 判で押したように規則正しい、その凄烈の斬り込みは、なんと形容をしていいか、言葉に尽くせないものがあった。 帆綱....