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凄絶
「凄絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凄絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
え冴えとした青月代《あおさかやき》のりりしい面に深くぐいと抉《えぐ》り彫られて、
凄絶と言うか、凄艶と言うか、ちらりとこれを望んだだけでも身ぶるい立つような見事さ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
で、剣風《けんぷう》相競《あいきそ》う間をずいずいと押し進みました。まことに胆力
凄絶、威嚇ぶりのその鮮かさ!――まるで対手は手も出ないのです。剣気を合わすること....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
れて人々が倒れると、その上に将棋だおしとなって多勢が圧死し、そこへ火が来て、一層
凄絶なこととなった。佐川のおばさんは、かかる折、息子とつないでいた手を放して倒れ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
口をガッと開いたかと思うと、両手で虚空をつかんで、そのまま絶命した。実に悲惨とも
凄絶ともいいあらわし難い彼の最期だった。 「何者だッ!」 大隅は話し半ばに怪し....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、その灯をたずさえて来るのが美しい幽霊のような女であることを想像して、一種の幽怪
凄絶の気分に誘い出された。灯がだんだんに近寄って来ると、それに照らし出された影は....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
う。 古来焚書の厄は屡々歴史に散見する。殊にアレキサンドリアの文庫の滅亡は惨絶
凄絶を極めて、永く後世をして転た浩嘆せしめる。近頃之を後人の仮作とする史家の説も....
「火星探険」より 著者:海野十三
杏《あんず》のような色をして、小山のような火星が、暗黒の宙に浮いているその姿は、
凄絶きわまりなき光景だった。ネッド少年は、いよいよ気が滅入ってきて、口をきくこと....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
すと、中には僕の気の弱さを嗤う人があるかもしれない。だが、それは妥当でない。あの
凄絶無比の光景を本当に見た者でなければ、その正しい判定は出来ないのだ。 それは....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
水柱! あたりは闇黒と化し、天地も瞬間にひっくりかえったかと思われた。なんという
凄絶な光景であったろう。 × × × 「長谷部少佐、今のを見た....
「特攻隊に捧ぐ」より 著者:坂口安吾
、人間ではなく人形として否応なく強要せられた。だが、その次に始まったのは彼個人の
凄絶な死との格闘、人間の苦悩で、強要によって起りはしたが、燃焼はそれ自体であり、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
に終らせる必要があった。それ故にこそ、警視庁は全機能をあげて事態遮閉に努め、この
凄絶な戦闘は、東京市民が誰一人知らぬうちに完了されてしまったのである。
この市....
「越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
遠く分けられた。人々は、陶酔からさめてほっとした。 四 前頭級の牛でさえ、
凄絶の角闘である。これが横綱級にまで取り進んだら、どんな猛争をするであろうと、興....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
田川の水にだって、冴えた調子は出たことがございませんよ。」 当時の光景、いかに
凄絶なるものなりしぞ。 「ああ、私も聞いている内に、ひとりで涙が出たんですもの、....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
と知り、いよいよ末日の来たるを待つのみである。 六十一 更に夜半以後の有り様は又
凄絶だ、天に広がる原元子は、濃厚に、濃厚に成り行きて、地上の明るさは、今までの天....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ら折々月影が朦朧と見えますが、その色は物凄き薄鼠色を現わして見るからがヒマラヤの
凄絶、愴絶なる光景はかくもあるべきかと自ら驚きに堪えぬ程の凄い景色であります。私....