凌ぐ[語句情報] » 凌ぐ

「凌ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凌ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
い。自分はそれに促されて、明日の事は明日になってからとして、ともかくも今夜一夜を凌ぐ画策を定めた。 自分は猛雨を冒して材木屋に走った。同業者の幾人が同じ目的を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
うと思う。』『このように大きな質量を有し、そのあるものは大きさにおいて我が地球を凌ぐようなこれらの遊星は、単に太陽のまわりを周行しその乏しい光でたった一つの地球....
地球盗難」より 著者:海野十三
一つには夏の戸外にはとても藪蚊が沢山いることを忘れていたせいもあった。実際夜露を凌ぐにいい繁みの間には、注射針のように鋭い嘴をもった藪蚊が群棲していて、襲撃して....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
し)随分、勝手を云う。が、貴女の美しさに免じて許す。歌う鳥が囀るんだ、雲雀は星を凌ぐ。星は蹴落さない。声が可愛らしいからなんです。(女房に)おい、注げ。 女房酌....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
し、すべて充分だらけであるが、只一つ困ったことには、来る日来る日の退屈をどうして凌ぐか、これに悩まされる。 ところが今朝は如何なる吉日か、私は不図四十年前に、....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
あった。 だが日東男児は、いかなる危険をも恐れない。いかなる艱難も、よくこれを凌ぐのである。ことに川上機関大尉には、まだはたしおわらない大任務があった。それは....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に、純真に、縷々この意味の数千言を語ったのが、轟々たる汽車の中に、あたかも雷鳴を凌ぐ、深刻なる独白のごとく私たちの耳に響いた。 附添の数多の男女は、あるいは怒....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
形の羅紗帽子を、こんな時に、いや、こんな時に限らない。すっぽりと被るのが、寒さを凌ぐより、半分は見得で、帽子の有無では約二割方、仕立上りの値が違う。ところで小座....
露肆」より 著者:泉鏡花
女の、釦きらきらと羅紗の筒袖。小間物店の若い娘が、毛糸の手袋|嵌めたのも、寒さを凌ぐとは見えないで、広告めくのが可憐らしい。 気取ったのは、一軒、古道具の主人....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、いつしか一|軒の家屋の前へ出ました。それは丸太を切り組んで出来た、やっと雨露を凌ぐだけの、極めてざっとした破屋で、広さは畳ならば二十|畳は敷ける位でございまし....
成層圏飛行と私のメモ」より 著者:海野十三
持ちこまなければならないので、飛行機がだんだん複雑大仕掛のものとなる。 寒さを凌ぐ方は、軍用機その他でも既にやっていることだから、さまでむつかしい問題ではない....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
て、俗に本玉とかいふ水晶製の眼鏡の価|貴きをも厭はで此彼と多く購ひ求めて掛替々々凌ぐものから(中略、去歳庚子即ち天保十一年の)夏に至りては只朦々朧々として細字を....
式部小路」より 著者:泉鏡花
あ、」 「だって素袷でおいでだよ。」 「そこへ行っちゃ職人でさ、寒の中も、これで凌ぐんで、」 「威張ったね。」 「へ、どんなもんで、」と今度は水洟をすすり上げた....
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
奮起して身を文壇に投ずる志を立てた。例えば二葉亭の如き当時の造詣はむしろ坪内君を凌ぐに足るほどであったが、ツマリ「文学士春の屋おぼろ」のために崛起したので、坪内....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
ば飛州|吉城郡|上宝村、海抜約三千百十米突、従来最高峰と認められていた、南穂高を凌ぐ事実に一百余米突、群峰の中央に聖座しているから、榎谷氏のいわれた奥穂高が至当....