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凍傷
「凍傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凍傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
っとの間、長靴の中をさぐって、樺の皮の嗅ぎ煙草入れを取り出すと、これまでに六度も
凍傷にかかったことのある自分の鼻に、一時、生気をつけようとしたのであるが、おそら....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
へゆく千載の好機が、いま折竹の企図とともに永遠に消えようとしている。彼は、打撲と
凍傷で身動きも出来なくなっていた。
「本望だろう。ケティは、遠い遠いむかしの、血....
「癩」より 著者:島木健作
ろ、手を肌にあててみると塩分でざらざらしていた。――冬じゅうカサカサにひからび、
凍傷のために紫いろに腫《は》れて肉さえ裂けて見えた手足が、黒いしみを残したままも....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
俺を追ってくるだろう。橇犬の嗅覚は、磁石よりも鋭い。奴らは、前に往った犬の糞尿や
凍傷の血の滴りを、なん月後でもちゃんと嗅ぎ分けるから……」 しかし、この鉄の男....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
の待遠しかったことよ。幸い雪が盛んに降っていたので温度が高く、濡れた物も凍らず、
凍傷は免れた。しかしこれがため少し風邪を引いた。またスキー・デポから唐沢小屋まで....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
験を聞かぬ。」と羽織を脱いでなお痩せた二の腕を扇子で擦る。 四 「
凍傷の薬を売ってお歩行きなさりはしまいし、人。」 と婆さんは、老いたる客の真面....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
て人事不省なったのを助け出した、行列であった。 町の病院で、二月以上煩ったが、
凍傷のために、足の指二本、鼻の尖が少々、とれた、そげた、欠けた、はて何といおう、....
「田原氏の犯罪」より 著者:豊島与志雄
い時など、それは可なり彼女にとって痛々しい仕事であった。耳朶《みみたぶ》は大きく
凍傷のために脹れ上り、頬は赤くかじかんでいた。そして手足が氷のように冷え切った。....
「香奠」より 著者:豊島与志雄
の者は到底我慢しきれるものではありません。が平田伍三郎は平気でした。耳朶のはじは
凍傷で赤くふくらみ、鼻の頭は真赤になっても、更に徒歩主義を捨てませんでした。それ....
「氷河」より 著者:黒島伝治
巻いた四肢を毛布からはみ出して、ロシア兵が使っていた鉄のベッドに横たわっていた。
凍傷で足の趾が腐って落ちた者がある。上唇を弾丸で横にかすり取られた者がある。頭に....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
を患ったとみえて、私のことなどさらさら記憶にもなく、おまけに左眼はつぶれ、右手は
凍傷のため反り腕になっていて、両手の指は、醜い癩のようにひしゃげつぶれているので....
「母たち」より 著者:小林多喜二
に残っているありとあらゆる湿気がみんな霜に還元されるのである。なかのものは次々と
凍傷を起して行った。 お前の母ばかりでなしに、沢山の母たちが毎日のように警察に....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
スパと遣った。 どうしても咯血がとまらぬので氷嚢で肺部を冷し詰めたために其処に
凍傷を起こした。ある一人の若い医師が来て見て、 「こんな馬鹿をしては
凍傷を起こす....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
いな。歩いたり、
踊ったりする時もそうですが、ちょっとお辞儀を
いたすにも、足の
凍傷で難儀しますの。
メフィストフェレス
わたしのこの足で踏んで上げまし....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
にはとげが二つ許り刺さっていた。田部君は脚絆と足袋の間が隙いていたので、其部分は
凍傷に罹っていた。時間が遅いから余りゆっくりしていられない。三十分許休んで出発す....