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凝る
「凝る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凝るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子が、床の中で倉地に足のひどく冷えるのを注意されたりすると不思議に思った。肩の
凝るのは幼少の時からの痼疾《こしつ》だったがそれが近ごろになってことさら激しくな....
「富士」より 著者:岡本かの子
の水の底から湧く泡の玉は特に数が多い。夜中に籠れる歇気を吐くのであろうか、夜中に
凝る乳を粒立たすのであろうか、とにかく、この湧玉をみて、そして峯を仰ぐとき、確に....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
だった。新聞記者の第一条件は、文章が早く書けるということ、しんねりむっつり文章に
凝るような者やスロモーは駄目だというわけだった。 ところで、その十人の答案は大....
「鮨」より 著者:岡本かの子
りや裏の谷合の景色を深々と眺める。 ある日、ともよの父親は、こういう飼いものに
凝る性分で、飼い方もうまかったが、ときどきは失敗して数を減らした。が今年ももはや....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
つかなかったのだというのだから口惜しがるのも全く無理ではなかった。 「勝負ごとに
凝るのは、これだから良くないて……」 彼はいまだにそれを繰返しては、チェッと舌....
「地球盗難」より 著者:海野十三
の色が大分良くならはったのう」と宿のお内儀がニコやかに声をかけた。 「餘り勉強に
凝ると、身体に障っていけんぞナ」 学士は答を笑いに紛らせながら、冷い水で顔を洗....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
た長い竹竿で、子供達が、白い藤のような花を薄暗い街燈にすかして、もぎ取ろうと肩が
凝るほど首を上に向けきっていた。その子供達は、よう/\垂れだした花を昼間から、夜....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の正体はわからない。伝うるところによると、墓場などのあいだに太陰積尸の気が久しく
凝るときは化して羅刹鳥となり、好んで人の眼を食らうというのである。 平陽の....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
「こいつ、学校で、勉強盛りに、親がわるいと言うのを聞かずに、夢中になって、余り
凝るから魔が魅した。ある事だ。……枝の形、草の影でも、かし本の字に見える。新坊や....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
)という字をさながらに、湯煙の薄い胡粉でぼかして、月影に浮いていて、甍の露も紫に
凝るばかり、中空に冴えた月ながら、気の暖かさに朧である。そして裏に立つ山に湧き、....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
何か沢山|饒舌った末、あんたはほんまにきゃしゃなたちやな、あんまり勉強すると肩が
凝るやろといいました、私は全く肩を凝らす性分なのですから、はあ、と答えると、わし....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
こせり。青年は橋の一にたたずみて流れの裾を見|下ろしぬ。紅に染め出でし楓の葉末に
凝る露は朝日を受けねど空の光を映して玉のごとし。かれは意にもなく手近の小枝を折り....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
決して取り合いませぬぞ」 「貴郎様こそ旅籠に着かれてから、くるぶしが痛めるの肩が
凝るのと、苦情めいたこと仰せられましても、妾取り合わぬでござりましょうよ。ホ、ホ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
つ役者らしい取柄のないかれのそうした出世は、つまりはそれも如才なさの、たゞもう「
凝る」……役に「
凝る」……それだけのことだった。――たゞそれだけがかれの生命だっ....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
君は赤坂の八百勘で女中をしていた人で、始終粋な丸髷に結っていた。 ひどく料理に
凝る家で、殊に竜土会の時は凝り過ぎるという評があった。紅葉山人のなくなった後だっ....