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処士
「処士〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
処士の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の敗を致し以て亡国に至れり、これ豈《あに》景略(王猛の字)の匹《ひつ》ならんや、
処士虚声を盗む何代《なんのよ》か人なからんと王阮亭は言った(『池北偶談』巻二)。....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
む先生は野中の一軒家に、無名の猫を友にして日月《じつげつ》を送る江湖《こうこ》の
処士《しょし》であるかのごとき感がある。但《ただ》し檜の枝は吹聴《ふいちょう》す....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
わゆる(二字不明)多で、新思想を導いた蘭学者にせよ、局面打破を事とした勤王攘夷の
処士にせよ、時の権力からいえば謀叛人であった。彼らが千荊万棘を蹈えた艱難辛苦――....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 「ああ、この路の長かったこと。」 七 釣棹を、ト肩にかけた、
処士あり。年紀のころ三十四五。五分刈のなだらかなるが、小鬢さきへ少し兀げた、額の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
は相馬永胤氏、久留米藩では高橋二郎氏、富山藩では磯部四郎氏、高鍋藩では堤長発氏、
処士では色川圀士氏村岡良弼氏などである。なお公家の子弟に八氏大名の子弟にも八氏あ....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
る。気取った形容を用いれば、梅花書屋の窓を覗いて見ても、氏の唐人は気楽そうに、林
処士の詩なぞは謡っていない。しみじみと独り炉に向って、〔Re^vons……le ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
るものは爆発だ。この爆発は恐ろしい。一切の物を破壊しようとする。いっそうそれより
処士横議、自由に見させ自由にいわせ、自由に聞かせた方がいいではないか。遙かにその....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
を呑みました。 「これは少しくやり過ぎたな」 咄嗟にこのように思いました。 「
処士の身分で華美な振舞、世の縄墨を乱す者とあって、軽く追放重くて流罪、遁れ了すこ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
気振など微塵もなく、嘉門は機嫌よく愛想笑いをして、多四郎との閑談にふけっていた。
処士とはいっても所の領主、松平|大和守には客分として、丁寧にあつかわれる立派な身....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
て美作は同じ程度に、勤王思想を嫌忌した。で、有名な宝暦事件、すなわち竹内式部なる
処士が、徳大寺卿をはじめとして、京都の公卿に賓師となって、勤王思想を鼓吹した時に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
高橋健三は官報局の局長室に坐している時でも従五位勲何等の局長閣下でなくて一個の
処士|自恃庵主人であった。浜田は簡樸質素の学究、古川は卓落|不覊の逸民、陸は狷介....
「三国志」より 著者:吉川英治
と、郡県にあまねく布令た。 ところが或る日、布冠をいただいて、黒い喪服を着た一
処士が番の兵に捕まって、府堂へ引っ立てられてきた。 「丞相のお布令にもかかわらず....
「三国志」より 著者:吉川英治
、その言そのままを、献言されないか」 「いみじくも申された。むかし斉の田横は、一
処士の身にありながら、漢の高祖にも降らず、ついに節操を守って自害しました。いわん....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
いう蹴上の盆地にある南禅寺の一房を出て、山門から駒に乗ってゆくいと痩せたる若い一
処士にも似たる風采の人があった。 去年の秋以来、ここの僧房に籠って、ひたすら薬....