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「処女林〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

処女林の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
んさ、ハッハハハハハ」彼は笑った。その笑顔《えがお》の中には全く、処女湖に宿す、処女林のような純な表情があった。 「だって、君は、自分でも言ってるじゃないか、『....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の風を浴びながら、雑踏のなかを丘通りのほうへ歩いてゆく。その通りには、「恋鳩」「処女林」と、一等船客級をねらうナイトクラブがある。 「ううい、処女林か。処女林....
白菊」より 著者:夢野久作
人のように残虐な、無鉄砲なものに変形していた。 彼は人跡絶えた北海道の原始林や処女林の中を、殆んど人間|業とは思えない超速度で飛びまわりながら、時々、思いもか....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
くつゞく此深林の奥の奥を想う。林学士は斯く云うた、北見、釧路、十勝に跨る針葉樹の処女林には、アイヌを連れた技師技手すら、踏み迷うて途方に暮るゝことがある、其様な....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
行した時、植民部落というものを見ると、いつも胸が躍《おど》ったのである、打ち続く処女林がある、その中を掘割の清水がたぎり流れる、掘立小屋同様の移住民の住居、労働....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
至るまですべてひろがり得る所には常にすみずみまで翼をひろぐる自然をして、新世界の処女林のうちにおけると等しい粗暴さと荘厳さとをもって、そのパリーの一小庭園のうち....
動物園の一夜」より 著者:平林初之輔
のまん中で、動物と植物とが人間の破壊の手から保護されている動物園は、ある意味では処女林と同じだ。誰の心の中にでも潜在している自由を慕う要求が、どうかしたはずみに....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
椴と赤だもの疎林を。 そうしてまた暗い谿谷の中腹の白く輝く白樺を。 何という処女林、清高な、犯し難い、しかしまた永遠の神性。 私はまた想像した、雪に埋れ、....