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「処方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

処方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
うだい》を可成《かなり》詳細に説明した。慎太郎には薄い博士の眉《まゆ》が、戸沢の処方《しょほう》を聞いた時、かすかに動いたのが気がかりだった。 しかしその話が....
放送された遺言」より 著者:海野十三
らなかったことだろう。何が彼らをいらだたせたか。もちろんそれは反対派の学者たちの処方箋どおりの筋書が効を奏したのにすぎない。それにしても彼らのいっせいに亡ぶべき....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ちた蛾を拾おうとするらしかったが、それは影も無い。 なお棚には、他に二つばかり処方の違った、今は用いぬ、同一薬瓶があった。その一個を取って、ハタと叩きつけると....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
侯たとえばバクタン(Bakhtan)王のごとき人々すら、わざわざエジプトの医師の処方を求めによこしたくらいである。後代にはまたペルシアの諸王も彼らの医学上の知識....
海底大陸」より 著者:海野十三
これを聞いていたパイクソンは、 「おお、するとこれは、さっきモルフィス船医長の処方でこしらえた薬がききだしたんだな」 と、うれしそうにいった。 モルフィス医....
臨終まで」より 著者:梶井久
今頃行っても医者は往診で不在だから駄目だと言っても「さがして呉れ――自転車で――処方箋を貰って来て呉れ――」と、止切れ止切れにせがみました。弟はやむを得ず「よう....
連環記」より 著者:幸田露伴
時迄も此世に化現遊戯して塵界の男女貴賎を点化したということで、唐から宋へかけて処処方方に詩歌だの事跡だのを遺して居り、宋の人の間には其信仰が普遍で、既に蘇東坡の....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
坐して、枕許の煙草盆を引寄せた。 「こういう時は、医師の友達は頼母しかろう。ちと処方外の療治だがね、同じ葡萄酒でも薬局で喇叭を極めると、何となく難有味が違って、....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
を受取り、今度は脊長けと同じ櫃台の前へ行って、長わずらいの父のために薬を買った。処方を出した医者はいとも名高き先生で、所用の薬は奇妙キテレツのものであったから、....
明日」より 著者:井上紅梅
その上きくのも羞しくなった。その時何小仙の向う側に坐していた三十余りの男が一枚の処方箋を書き終り、紙の上の字を一々指して説明した。 「この最初に書いてある保嬰活....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
であろう。あるいは渇望病だという診断が下るかも知れない。そういう病症を癒すに別の処方のあろうはずはない。やはり夢には夢を与えるに限る。 海印三昧ということを鶴....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
いうし、また、調合の方は朝鮮の姉が肺をわずらって最寄りの医者に書いてもらっていた処方箋を、そっくりそのまま真似てつくったときくからは、一応うなずけもしたが、それ....
二重人格者」より 著者:小酒井不木
づいた。「どうぞそれを教えて下さいませ」と、口を揃えて頼んだ。 「よろしい。では処方を書いてあげましょう」 こう言って博士は紙片に次の文字を書いた。 高速度映画撮影機 (「新青年」昭和二年十一月号)....
双語」より 著者:上村松園
て、みな又兵衛になってしまっているような気もされます。 私はこれまで又兵衛も諸処方々でいろいろなものをかなり見ておりますが、先年祇園祭りの時に、甲某家で又兵衛....
三枚続」より 著者:泉鏡花
して、薬局の硝子窓を背後に、かの白の上服を着たのと、いま一人洋服を着けた少年と、処方帳をずばと左右に繰広げ、筆に墨汁を含ませつつ控えたり。 薬の薫は床に染み、....