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凱
「凱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
たしから電話をかけて置くわ。」
広子は妹の顔を見るなり、いつか完全に妹の意志の
凱歌《がいか》を挙げていたことを発見した。この発見は彼女の義務心よりも彼女の自尊....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
ないのです。もし憎み切れるとすれば、もっと仕合せになっているでしょう。(突然また
凱歌《がいか》を挙げるように)しかし今は大丈夫です。あなたがたは昔のあなたがたで....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
る者は、日清戦争に出征して、屡々《しばしば》勲功を顕《あらわ》したる勇士なれど、
凱旋《がいせん》後とかく素行|修《おさま》らず、酒と女とに身を持崩《もちくず》し....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
の三匹と、人質に取った鬼の子供に宝物の車を引かせながら、得々《とくとく》と故郷へ
凱旋《がいせん》した。――これだけはもう日本中《にほんじゅう》の子供のとうに知っ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
尊の姪か。」
彼は際《きわ》どい声を出した。若者はその容子《ようす》を見ると、
凱歌《がいか》を挙げるように笑い出した。
「そら、御覧なさい。隠したってすぐに露....
「或る女」より 著者:有島武郎
て観察の飛び離れた心力のゆらいだ文章を発表して、天才記者という名を博してめでたく
凱旋《がいせん》したのであった。そのころ女流キリスト教徒の先覚者として、キリスト....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》は無二無三に突進して、ついに一歩を抽《ぬ》きけり。 車夫は諸声《いっせい》に
凱歌《かちどき》を揚げ、勢いに乗じて二歩を抽き、三歩を抽き、ますます馳《は》せて....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
も思案に余って、気を揉んでいなすった処へ、思いの外用事が早く片附いて、英臣さんが
凱旋でしょう。腹帯にはちっと間が在ったもんだから、それなりに日が経って、貴女は九....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
挨拶の辞儀をした。 やがて百人の処女の喉から華々しい頌歌が起った。シオンの山の
凱歌を千年の後に反響さすような熱と喜びのこもった女声高音が内陣から堂内を震動さし....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
供致しますのに――」 僕はそれには答えないで、友人とともに、 「さようなら」を
凱歌のごとく思って、そこを引きあげた。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を受けていると言ってよい。が、何と言っても人生の悪戦苦闘を、首尾よく切り抜けて、
凱歌を挙げた魂が、更に更に尊い。いわゆる艱難汝を珠にすで、試練によりて浄化された....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
いかエ周吉、気をお付けなさいよ、早く帰ってお出よ」と同じ言を繰り返されたり。予は
凱旋の将の如く得々として伯父より譲られたる銀側の時計をかけ革提を持ち、「皆様御健....
「感応」より 著者:岩村透
その儘に過ぎてしまった。やがてそれから月日も経って、従兄も無事に戦争から、芽出度
凱旋をしたのであった。勇ましい戦争談の末に、伯母が先夜の事を語ると、従兄は暫時、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
と、天性の覇気が脱線して桁を外れた変態生活に横流した。椿岳の生活の理想は俗世間に
凱歌を挙げて豪奢に傲る乎、でなければ俗世間に拗ねて愚弄する乎、二つの路のドッチか....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にのぼるように望む。聖明の天子はいまも健在である、一日も早く国旗をかの地にたてて
凱旋を奉上されよ。) 一行は南緯七十四度まで進航して船を回せりという。 五日....