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凶
「凶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に一つより生きる道はない。彼の心には、こういう覚悟と共に、ほとんど常軌を逸した、
凶猛な勇気が、刻々に力を増して来た。相手の太刀を受け止めて、それを向こうへ切り返....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
やがて向うの庇《ひさし》の下に動いているものを見つけますと、私は急に飛び上って、
凶《わる》い夢からでも覚めたように意味のない大声を挙げながら、いきなりそこへ駈け....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
上《ひあが》って、鯉《こい》や鮒《ふな》が泥の中で喘《あえ》ぎますやら、いろいろ
凶《わる》い兆《しらせ》がございました。中でも殊に空恐ろしく思われたのは、ある女....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
爻《いっこう》に三変の次第があり、一卦《いっけ》に十八変の法があるから、容易に吉
凶を判じ難い。そこはこの擲銭卜の長所でな、……」
そう云う内に香炉からは、道人....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
木々もその空に、暗枝《あんし》をさし交《かわ》せて、ひっそり谷を封じたまま、何か
凶事《きょうじ》が起るのを待ち構えているようであった。が、彼は何も見ず、何も聞か....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
る》になると間もなく、板倉佐渡守から急な使があって、早速来るようにと云う沙汰が、
凶兆《きょうちょう》のように彼を脅《おびやか》したからである。夜陰に及んで、突然....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
※《まぶた》を挙げて、ぎょろりと新蔵へ眼をくれると、「成らぬてや。成らぬてや。大
凶も大
凶よの。」と、まず大仰に嚇《おど》かして、それからまた独り呟くように、「こ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ようとした。この船の航海中シヤトルに近くなったある日、当時の大統領マッキンレーは
凶徒の短銃に斃《たお》れたので、この事件は米国でのうわさの中心になっているのだっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
てはいずっていた。泳ぎ回る者でもいるように頭の中がぐらぐらする葉子には、殺人者が
凶行から目ざめて行った時のような底の知れない気味わるさが感ぜられた。葉子は密《ひ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
をしてはならぬ事、隣保相助けねばならぬ事、豊作にも小作料は割増しをせぬ代りどんな
凶作でも割引は禁ずる事、場主に直訴《じきそ》がましい事をしてはならぬ事、掠奪《り....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
無数の星々の間に、冬の空の誇りなる参宿が、微妙な傾斜をもって三つならんで、何かの
凶徴のようにひときわぎらぎらと光っていた。星は語らない。ただはるかな山すそから、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
る相続問題などに際して幸運あるいは不幸の兆を示すものと信じられていた。こういう吉
凶の前兆は必ず事実となって現われるもので避けることは不可能であるが、しかし呪法や....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 ぐるりと三人、三つ鼎に夫人を巻いた、金の目と、銀の目と、紅糸の目の六つを、
凶き星のごとくキラキラと砂の上に輝かしたが、 「地蔵菩薩祭れ、ふァふァ、」と嘲笑....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
なるまいが、どうあっても遂行せねばならぬことになっている。風雨、寒暑、五|穀の豊
凶、ありとあらゆる天変地異……それ等の根抵には悉く竜神界の気息がかかって居るのじ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
独裁の態度を持っておることは、今更言をまたないところであります。われわれはかつて
凶刃に倒れた浜口元民政党総裁が、議会の要求に応じて病を押して出席し、遂に倒れて行....