凶器[語句情報] » 凶器

「凶器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凶器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
にそれをからだから離して右手にぶら下げて寝床に帰った。そのくせ葉子は露ほどもその凶器におそれをいだいているわけではなかった。寝床のまん中にすわってからピストルを....
放浪」より 著者:織田作之助
びしい。サクラの順平もしばしば危い橋を渡る想いにひやっとしたが、それだけにまるで凶器の世界にはいった様な気持で歩き振りも違って来た。 気の変りやすい北田は売屋....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
てき》な砲弾の洗礼を受くべく戦場へ向うのである。拳銃よりも、敵の巨砲の方が自殺の凶器としてはどれだけたのもしいものかも知れない。しかも、自分で自分を殺す代りに、....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
覚悟するに至る以前の懊悩が、遥かに自殺そのものよりも苦しいのでなかろうか。自殺の凶器が、目前に横たわった時は、もはや身を殺す恐怖のふるえも静まっているのでなかろ....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
脳溢血とし一般に知れわたることを防いだ。ただ証拠としては、特別の形をもった薄刃の凶器と、そのとき紛失した小函とその風変りな鍵の行方とが、後に残された。 ハルピ....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ロに砕けています」 「そうでしょう」と帆村は応えてから、指を側へ向けた。「そこに凶器がありますよ」 「どれです」医師は目をあげた。 「ほら、これですよ」と帆村は....
蠅男」より 著者:海野十三
まく出よりました。これだす」 そういって、鑑識課員が、白い紙に転写した指紋と、凶器になった文鎮とを差出した。 「それから、ちょっと村松氏の指紋を取ってくれ」 ....
海底都市」より 著者:海野十三
点に達した。ついに彼らは鬨《とき》の声をあげて、僕の方へ殺到した。手に手に異様な凶器《きょうき》を持ち、目玉をむき出し歯をむき出して、怒れる野獣群のように僕を目....
金属人間」より 著者:海野十三
たが、それはたいして深くない傷ばかりであった。 お三根を殺傷《さっしょう》した凶器《きょうき》は、なんであるかわからないが、なかなか切《き》れ味《あじ》のいい....
香水紳士」より 著者:大阪圭吉
が印刷されてあった。 犯人は洋服姿の大男で、中指のない四本指の右手が最大の特徴、凶器を擬せられつつ沈着なる宿直員の観察 クルミさんは、急に眼の前がクラクラッと....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、現場が扉と鍵で閉されていたにもかかわらず、艇内をくまなく探しても、八住を刺した凶器が発見されなかったのである。しかも周囲は厚い装甲で包まれ、その外側が海底であ....
白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
やがて私たちはB署の応接室で署長に面会しました。小田さんは署長に俊夫君を紹介し、凶器として使用された手拭いを貸してもらいたいと申し出ました。署長は、よく太った、....
現場の写真」より 著者:小酒井不木
たものらしく、あたりには格闘したらしい形跡がなかった。 また、殺害に使用された凶器はそのあたりに見られなかったから、自殺でないことはすぐに分かった。そうして、....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
いと思うと、ケンプ博士は気が気でなかった。 「透明人間のもう一つの弱いところは、凶器を持ってあるけないことです。鉄棒とかナイフとか、太いステッキのような物は、手....
放浪」より 著者:織田作之助
びしい。サクラの順平もしば/\危い橋を渡る想いに冷やっとしたが、それだけにまるで凶器の世界にはいった様な気持で歩き振りも違って来た。 気の変り易い北田は売屋を....