凶悪[語句情報] »
凶悪
「凶悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凶悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ょせん逃げられないとさとった彼は、目を相手の上にすえると、たちまち別人のように、
凶悪なけしきになって、上下《じょうげ》の齒をむき出しながら、すばやく鉾《ほこ》を....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ああ! 世間で上品な清廉の士とみなされているような人間の内部にすら、いかに多くの
凶悪な野性が潜んでいるかを見て、彼は戦慄を禁じ得なかったものである。 こんなに....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
ていた相手の男が、ただ自分の生命を、脅《おど》そうとしている一個の動物――それも
凶悪な動物としか、見えなかった。彼は奮然として、攻撃に転じた。彼は「おうお」と叫....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
にいくらか関わっているにちがいない一人の人間を待っているのだ。この犯罪のもっとも
凶悪な部分には、おそらくその男は関係がないだろう。この推定があたっていればいいが....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
造の横に掛けていた金ピカの警務署長らしいのが立ち上った。 「先刻、精神病院から、
凶悪な患者が脱走した。年齢は二十四歳、日本人で北川準一という男だ。背丈は一メート....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
たりとタバコをふかす。 ◯本年もあと十日。 十二月三十一日 ◯ああ昭和二十年!
凶悪な年なりき。言語道断、死中に活を拾い、生中に死に追われ、幾度か転々。或は生け....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
ながら女中と二人でうろうろしていた深谷夫人を捕えて、早速切り出した。 「奥さん。
凶悪な犯人が判りました。下男の早川です」とそれから驚いている夫人へ丁寧に改まって....
「海底都市」より 著者:海野十三
げこまれるようなことはないでしょうね」 「そんな危険は今後絶対に起こらない。あの
凶悪《きょうあく》なるダリア嬢と共犯者トビ学生は、共に本校から追放されたんだから....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
「ああその……つまり山ノ井なる地球人は、貴重なる多数の生命をうばった、にくむべき
凶悪犯人である。しかもいまなお、かれは暴行をはたらいている。かれのためにうばい去....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
、かしこまりました。では早速……」 「うん、ひとつがんばってくれ。だがわれわれが
凶悪な共産党員をさがしているんだということを、誰にも気どられないように注意しろよ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
う印象を与えるし、不愉快な笑い方をするし、弁護士に対して臆病と大胆との混った一種
凶悪な態度で振舞ったし、しゃがれた、囁くような、幾らかとぎれとぎれな声でものを言....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
た。 友蔵は茶の間の長火鉢の前で、湯呑で昼酒を飲んでいた。四十がらみの大男で、
凶悪の人相の持主であった。下っ引の手合も今日はいず、一人いい気持に酔っていた。 ....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
うものか」 これが五右衛門の心持であった。 だが、賊としての五右衛門の、その
凶悪の事蹟に就いては、既に大分の読者諸君は、講談乃至は草双紙によって、先刻承知の....
「奉行と人相学」より 著者:菊池寛
格とを、比較して考えるようになったのである。 が、大抵の場合、人殺しや、強盗は
凶悪な面構えをしているし、かたりは、ずるそうな顔をしている。 が、折々愚直その....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ともどうすることも出来ず地団駄を踏まなければならないということや、だから各国から
凶悪の犯人や、堂々たる国事犯人などが上海へ流れ込んで来てい、その中の国事犯人は主....