凶行[語句情報] »
凶行
「凶行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凶行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
てはいずっていた。泳ぎ回る者でもいるように頭の中がぐらぐらする葉子には、殺人者が
凶行から目ざめて行った時のような底の知れない気味わるさが感ぜられた。葉子は密《ひ....
「黒猫」より 著者:佐々木直次郎
々《ゆうゆう》とその眼窩《がんか》から片眼《かため》をえぐり取った。この憎むべき
凶行をしるしながら、私は面《おもて》をあからめ、体がほてり、身ぶるいする。 朝....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
はいっさいしたくないというのが彼の気分なのであった。その時になると、彼は突然に、
凶行の現場にどんなことでも変ったことを認めはしなかったかと私に尋ねた。
「変った....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
かりでなく、外人は集会して強い態度を執ることを申し合わせた。神奈川奉行を通じて、
凶行者の逮捕せられるまでは島津氏の西上を差し止められたいとの抗議を持ち出したが、....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
を説明するのにたった一つだけもっともらしい方法があるようだな。――僕の言うような
凶行があったと信ずるのは恐ろしいことだがね。キッドが――もしほんとうにキッドがこ....
「惨事のあと」より 著者:素木しづ
の海岸の方に何の目的もなく出かけて行って、まだ手紙の一本もよこさない。 万吉が
凶行を敢てしたのは、その留守である。 其日は、朝早くから万吉が遊びにやって来た....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
まっていた。が、被害者はめちゃくちゃに傷つけられて小路の真ん中に横たわっていた。
凶行に用いたステッキは何かの珍しい、大そう丈夫で堅い木のものであったが、あの凶暴....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
階段の途中だったら、どんと突き落すかも知れない。彼の冷酷な蔑視に対して、こちらは
凶行。 なにか神経衰弱などではないかと、長谷川は反省してみた。それでも、危惧の....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
川五郎が被害者とその夜十一時半頃まで一緒に食事をして、それから三十分内外のうちに
凶行が演ぜられたというのですから、石川五郎が稲村を殺した最も有力な嫌疑者でなけれ....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
分のものだが、いつ落としたか知らないと申しましたので、巡査が事情を告げると、彼は
凶行の行われた日の夕方、千葉の旧主人の病気を見舞いに行ったが、案外重かったので家....
「玉振時計の秘密」より 著者:小酒井不木
殺そうと思い立ったが最後、俗にいう悪魔に魅入られたとでもいいますか、どうしても、
凶行を演じないではいられなくなったのであります。 さて、龍太郎がなにゆえに支配....
「現場の写真」より 著者:小酒井不木
何? やはり金がほしさに殺したと白状しましたか。盲目でありながら、よくも、巧妙に
凶行をとげたものですねえ。いずれ、前科持ちでしょう。え? やっぱり、そうですか。....
「アパートの殺人」より 著者:平林初之輔
れば嫉妬もまた強い道理じゃないか。嫉妬に眼がくらんで、女にも似合わざる大胆不敵な
凶行を犯したんだろう」 植田「……」 検事「どうだ、だまっていてはわからぬで....
「誰が何故彼を殺したか」より 著者:平林初之輔
した。 林の証言は、近所の人によってすっかり確認されたのであった。 つづいて
凶行当日の訊問に移った。一番先に訊問されたのはやはり未亡人だった。 「被害者は昨....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
と思われる。フルマイは今では物を食わせることのごとく解せられるが、やはり定った吉
凶行事のある日のことで、ただこれには必ず御馳走が伴っただけである。ままごとの地方....