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凸
「凸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
月が少し光って見え隠れに眺められた。彼れは遂に馬力の上に酔い倒れた。物慣れた馬は
凸凹の山道を上手に拾いながら歩いて行った。馬車はかしいだり跳ねたりした。その中で....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
もそのはずかい、もう五十八だもの」 その言《ことば》の訖《お》わらざるに、車は
凸凹路《でこぼこみち》を踏みて、がたくりんと跌《つまず》きぬ。老夫《おやじ》は横....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
里。めった、人の目につかんでしゅから、山根の潮の差引きに、隠れたり、出たりして、
凸凹
凸凹
凸凹と、累って敷く礁を削り廻しに、漁師が、天然の生簀、生船がまえにして、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
留みませぬよ。 内は内で親たちが、厳しく叱言も申します。気の強いのは、おのれ、
凸助……いや、鼻ぴっしゃり、芋※の葉を被っているけに、衣ものの縞柄も気のせいか、....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
と云って、すぽりと引込む。――はてな、行燈が、かがみに化ける……と松崎は地の
凸凹する蹈台の腰を乗出す。 同じ思いか、面影も映しそうに、美しい女は凝と視た。....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
のが、仰向けに鰓を此方へ、むっくりとして、そして頭の尖に黄色く輪取った、その目が
凸にくるりと見えて、鱗のざらめく蒼味がかった手を、ト板の縁へ突張って、水から半分....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
度も襟を引合わせ、引合わせしたそうである。 この森の中を行くような道は、起伏凹
凸が少く、坦だった。がしかし、自動車の波動の自然に起るのが、波に揺らるるようで便....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
古い額の、胡粉が白くくっきりと残った、目隈の蒼ずんだ中に、一双虎のごとき眼の光、
凸に爛々たる、一体の般若、被の外へ躍出でて、虚空へさっと撞木を楫、渦いた風に乗っ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
、工場の煙突でなく、路傍の藪でなく、寺の屋根でもなく、影でなく、日南でなく、土の
凸凹でもなく、かえって法廷を進退する公事訴訟人の風采、俤、伏目に我を仰ぎ見る囚人....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、船も、岩も、ただなだらかな面平に、空に躍った刎釣瓶も、靄を放れぬ黒い線。些と凹
凸なく瞰下さるる、かかる一枚の絵の中に、裳の端さえ、片袖さえ、美しき夫人の姿を、....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
似をしながら、彼方此方と駆け廻る。それを少し離れた処で柄の付いた八角形の眼鏡の、
凸レンズが七個に区画されたので覗くと、七人のそうした姿の男が縦横に馳せ廻るように....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
」と橋の下を抜けると、たちまち川幅が広くなり、土手が著しく低くなって、一杯の潮は
凸に溢れるよう。左手は洲の岬の蘆原まで一望|渺たる広場、船大工の小屋が飛々、離々....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
愛吉。酒は過している、懐にはふてている。殊に人立の中のこと、凹まされた面は握拳へ
凸になって顕われ、支うる者を三方へ振飛ばして、正面から門附の胸を掴んだ。紋床の若....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
と思うような四辺の光景にも因りましたろうが、すらりと、このな、」 と円満にして
凸凹なき、かつ光沢のある天窓を正面から自分|指しながら、相対して、一等室の椅子に....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
目三代目時分の禿が使に来ても、一目して研屋の五助である。 敷居の内は一坪ばかり
凸凹のたたき土間。隣のおでん屋の屋台が、軒下から三分が一ばかり此方の店前を掠めた....