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凹み
「凹み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凹みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三枚続」より 著者:泉鏡花
え点が十分にあったんですから、こりゃ力ずく、腕ずくじゃあ不可ませんや、伝の親仁大
凹み。 こっちあぐッと溜飲が下って、おさらばを極めてフイとなって、ざっぷり朝湯....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
そうとすると無かろうね。探したが探したがさあ知れねえ。とうとう平あやまりのこっち
凹み、先方様むくれとなったんだが、しかも何と、その前の晩気を着けて見ておいたんじ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
味のわるい不吉な形だった。すこしばかりこんもりと盛り上った土塊や、水の一滴もない
凹み、それから黒くくすんでいる飛石らしいのが向うへ続いて、賑かに崩れた煉瓦塀のと....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
うごかし穴の壁を上へのぼっていくのであった。水兵ナイフは、穴の壁に、手足をかける
凹みをつくるためたいへん便利であった。 穴をのぼりきるまでに、丁度三十分かかっ....
「振動魔」より 著者:海野十三
もし一本の指でその辺を軽く押したとすると、最初は軟い餅でも突いたかのようにグッと
凹みができるが、軈てその指尖の下の方から揉みほぐすような挑んでくるような、なんと....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
は別条ない。昨夜彼奴の防弾チョッキを見たが、君の呪いの弾丸が二発|鋼鉄の上に浅い
凹みを造っていたぜ。もし徹りぬけりゃ、心臓を射留めたろう」 「卑怯な男!」 「だ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
脛とは全く異り、皮膚がいやにがさがさし、悪性のおできの跡が、梅干を突込んだような
凹みを見せてそれが三つもあり、おまけに骨が醜くねじれていた。なおその上に良くない....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
ような顔をしている。色艶のわるい、むくんだような顔、下瞼はだらりとたるみ、不快な
凹みができている。そして帽子の下からのぞいている大きな眼だ。その大きな眼が、宮川....
「蠅男」より 著者:海野十三
山峡を下りていった。 十分ほど懸って、二人は遂に谷の底についた。幌は裂け鉄板は
凹み、車体は見るも無慚な壊れ方であった。 帆村は勇敢にも、ぐるっと後部の方に廻....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
させないようにしたのを打ったとしよう。そして、二度目にその緊縛が解けたとしたら、
凹みの戻った振動でもって、恰度そう云うような唸りが起りはしないだろうかね。案の状....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
ている山本山正味百二十匁入りのブリキの鑵に、レッテルの貼られた後ろの方に、大きな
凹みが二箇所というもの、出来ていたのであった。何物かへ強く打つけたか、何物かで強....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
て辛うじてロップを投げる。ブリッジが激しく上下する。凄まじいブリュブラックの波の
凹み、その
凹みの底にひたと吸いついた欄干の眼、眼、眼。 米領「プリビロフ」露領....
「天馬」より 著者:金史良
出した。或は彼自身が云っているように、本当に柔道初段以上のために広過ぎる程の肩が
凹み込んでいるのかは知らないが、がに股はあの妙な電信柱を知るようになって以来のこ....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
を掘り出すのに一生懸命だった。 二人、三人と、掘り出されるに従って、椀のような
凹みに誰れか生き残っている希望は失われて行った。張子の人形を立っているまゝ頭から....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
が芸術だとは云えないから。 かげひなた漫談 東洋画には陰影がない。強いて
凹みを作らねばならぬ時には淡墨をもって隈というものをつける。これは単に凹んだ場所....