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凹む
「凹む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凹むの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
、彼の女等は恐ろしく美しかった。実際、彼の女等の為めに、大理石さえが愛嬌を見せて
凹む程であった。誇張ではない。私は石の笑靨を経験した。私は元石の様な冷たい人間だ....
「魔像」より 著者:蘭郁二郎
の過程を撮ろうというんだ、驚いたかい。 このふっくりとした腹も、明日はぺこんと
凹むに違いない、眼の玉の溶ろけて行くところや、股の肉のべろっと腐り落ちて行くとこ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
力し、人の言は一切|容れず、ただ、ひたすら屁理窟を並べてねばるものである。極度に
凹むと、裏のほうがふくれて来る。つまり、あの自尊心の倒錯である。原田もここは必死....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
れが来ていた。もういい加減に叩き起さなければ! 若者はごろりと横になった。眼の
凹むのを覚えた。 「飯は食ったか?」また男が問いかけた。 「いいえ、昨日から……....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
抜く、件の咳を一つすると、これと同時に、鼻が尖り、眉が引釣り、額の皺が縊れるかと
凹むや、眼が光る。……歯が鳴り、舌が滑に赤くなって、滔々として弁舌鋭く、不思議に....
「三つの嘘」より 著者:豊島与志雄
の壁に頭をどしんどしんぶっつけました。唐草模様の美しい紙ではられてる壁面がまるく
凹むかと思えるほど、頭をぶっつけ、狂人のように喚き立て、卓子の上の五彩の花瓶が転....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
面にある浮彫りなんですよ。それは、最初鏡を磨く際に、模様のある低い部分が、一端は
凹むのですけど、やがて日を経るにつれ盛り上ってきて、結局、不思議な像を反射するよ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
山の底は大いなる空洞であろう。それは確実な事である。そしてその大いなる空洞がいつ
凹むか。それは気掛りなことである」 という意味のことを、私の同行者はしきりにブ....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
端の方へは怖くて近寄れもせなかった。その男は汚ない褌など露わして平気でずぶずぶと
凹む軒端へつくばっては、新しい茅を差していた。 彼は屋根の棟に腰かけて、ほかほ....