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「出で立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出で立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
ような肌は、もう近在から出る地卵とそっくりであった。 軈て私は若い農夫のような出で立ちをした。そして父の土地から遠くさすらって、他の都市へと行った。 郊外に....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
たのである。僕はズボン下に足袋《たび》裸足《はだし》麦藁帽《むぎわらぼう》という出で立ち、民子は手指《てさし》を佩《は》いて股引《ももひき》も佩いてゆけと母が云....
うつり香」より 著者:近松秋江
小高い窓を開いてそっちの方を見送ると、今しもお宮は露路口の石段を上って表の通路に出で立ちながら腰帯の緩みをきゅっと引き締めながら、 「これから帰ってまた活動する....
十二支考」より 著者:南方熊楠
|異《かわ》らぬ他の驢をかの児の眠った間に、金の糞する驢と掏《す》り替えた。翌朝出で立ちて、途中で始めて気付き、引き還して亭主を責めたが応ぜず。叔父を訪《おとの....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
が、これが真個《ほんと》の押掛けで、もとより大鎧|罩手《こて》臑当《すねあて》の出で立ちの、射向けの袖《そで》に風を切って、長やかなる陣刀の鐺《こじり》あたり散....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一 秋風ぞ吹く白河の関の一夜、駒井甚三郎に宛てて手紙を書いた田山白雲は、その翌日、更に北へ向っての旅に出で立ちました。 僅かに勿来《なこそ》の関で、遠くも来つるものかなと、感傷を逞....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で一睡を催すと、その翌朝、早くも宇治山田の米友と連れ立って、洛北岩倉村へと遠征に出で立ちました。 この場合、何のために米友が同行するかというに、それは言わずと....
初旅」より 著者:寺田寅彦
を冠って、紺のめくらじまの袴をはき脚絆に草鞋がけ、それに久留米絣の綿入羽織という出で立ちであったと思う。そうして毛糸で編んだ恐ろしく大きな長い羽織の紐をつけてい....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
を見かけて乗る。何某講と染め抜いた揃いの手拭を冠った、盛装に草鞋ばきという珍しい出で立ちの婦人の賑やかに陽気な一群と同乗した。公園の入口にはダリアが美しく咲いて....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
手駕籠で。いつかこの旦那によって佐野槌から引かされてきたお久が「昨日に変る今日の出で立ち、立派になって駕籠」から下り立ったのである(読者よ、旦那に長兵衛の住居の....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
ると、改札口に深沢君が待っておられる。当年の郡長様も郷里では鳥打帽にモンペという出で立ちだ。モンペとは袴とズボンとの合の子で、雪国にはなくてはならぬもの。地方に....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
彼らが祇園祭の警固に出るには、甲冑に身を固めて太刀を帯し、武士が戦場に赴くが如き出で立ちをしたものと、一方には「六人の棒の衆」と称して、法衣類似の衣服を着て、頭....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
ことに残念である。 品位好尚が高雅であれば、つくられるところの料理も、すべての出で立ちも、おのずと品位備わり、口に美味く、心に楽しく、完全に栄養の目的は達し得....