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「出で立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出で立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
最後の御奉公を致さん。 今日よりは かえり見なくて 大君の 醜の御楯と出で立つ われらは ◯暢彦が英に聞いている。 「なぜソ連は日本に戦争をしかけて来....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
出向いたのか分らない。日も、懐中も、切詰めた都合があるから、三日めの朝、旅籠屋を出で立つと、途中から、からりとした上天気。 奥羽線の松島へ戻る途中、あの筋には....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
きまと》うて身がまえをするのは、多分、これから茂太郎と兵部の娘の行方を探すべく、出で立つの用意と見えます。駒井はと見れば、かれは一旦、研究室の方へ引返して、それ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
姑頭《くわいあたま》で出て来たが、信州へ入ってから急に気が強くなって、武者修行に出で立つべく、総髪を撫下《なでさ》げにした間はまだよろしいが、松本へ来て、川中島....
十二支考」より 著者:南方熊楠
で、『古事記』に大国主の兄弟八十神各|稲羽《いなば》の八上《やかみ》姫を婚せんと出で立つに、大国主に袋を負わせて従者として往った話あり。本居宣長その賤役たるを言....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
く時に、酒を賜わり、この御製を作りたもうた。その長歌の反歌である。 一首は、今出で立つ汝等節度使の任は、まさに大丈夫の行くべき行旅である。ゆめおろそかに思うな....
半日ある記」より 著者:寺田寅彦
きずって墓場を出つ入りつ。木魚の音のポン/\たるを後に聞き朴歯の木履カラつかせて出で立つ。近辺の寺々いずこも参詣人多く花屋の店頭黄なる赤き菊|蝦夷菊堆し。とある....
役者の顔」より 著者:木村荘八
すごかったことをおぼえて居ります。 三月の扇屋熊谷で、幸四郎の熊谷が編笠深々と出で立つのを見ると、さすがにこの舞台姿は、そのいなりのままで既に獲易からざる眼福....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
き合わせ、眼を瞑っていた。すぐ表通りをハッキリと、 「歓呼の声に送られて 今ぞ出で立つ父母の国 勝たずば生きて還らじと」 若く太い合唱の声が空気を揺がせて....
三国志」より 著者:吉川英治
気らしい。直ちに幕下へ発向の触れをまわして、兵数も増して五千余騎となし、夜と共に出で立つ準備にとりかかった。 かくと魯粛から聞いて、孔明はいよいよ笑った。 「....
私本太平記」より 著者:吉川英治
か」 「わきまえてはおりまする。しかし、おたがい武門は、かく続々と前後して戦場に出で立つ折。いささかな悔いも残しておきたくありませぬ」 「勝手に詫びろ。また足利....