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出不精
「出不精〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出不精の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
けんたい》を感じた。ただ仕事をした結果とばかりは考えられないこの疲労が、一層彼を
出不精にした。彼はよく昼寐《ひるね》をした。机に倚《よ》って書物を眼の前に開けて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しろなかなか念入りの細工で……。江戸にあんな職人はありますめえ」 「おれは此の頃
出不精になったのと、年寄りのくせに後生気が薄いので、まだお開帳へ参詣をしなかった....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
笑いながら云った。「このごろは大久保の方へ引込んでしまったもんですから、どうも、
出不精になって……。いくら達者だと云っても、なにしろこゝの主人にくらべると、丁度....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
松の大樹の上に冴えた月のかかっている夜などは殊によい。若いときは格別、近年は甚だ
出不精になって、旅行する機会もだんだんに少なくなったが、停車場という乾燥無味のよ....
「足迹」より 著者:徳田秋声
一つ。」と言って食物屋で飯を食うとき銚子を誂えてお庄にも注いでくれた。 「自分が
出不精のくせに、人が出ると機嫌がわるいのだよ。真実に妙な人。」お庄は終いに笑った....
「伸子」より 著者:宮本百合子
方がいいんだけれど……」 大阪鮨をたべながら、佐保子が云った。 「私ね、そりゃ
出不精で不忠実な友人なんだけど、この間ふと吉見さんの家を訪ねたのよ。そしたら、こ....
「文士の生活」より 著者:夏目漱石
うたたね》をする事があるが、これをすると頭の工合《ぐあい》の大変よいように思う。
出不精《でぶしょう》の方で余り出掛けぬが、時々散歩はする。俗用で外出を已《や》む....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
山の景色を見ますにつけ……ついのんびりと、一人で旅がしてみたくなったんです。一体
出不精な処へ、お蔭様、店も忙しゅうございますし、本所の伯父伯母と云った処で、ほん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
来ました。その帰り途で、太平老人から聞くところによると、旦那様はあれで、今でこそ
出不精《でぶしょう》でいらっしゃるが、若いうちはずいぶん旅をなされたもので、度胸....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
ために、東京の印象といふやうなものが、多少は話せないわけでもない。殊に、僕の如き
出不精なものは、それだけ変化にも驚き易いから、幾分か話すたねも殖えるわけである。....
「泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
たものは、野菜、豆腐、小魚などのよく煮たものでした。 食物の潔癖に次いで先生の
出不精もよくいわれますが、これは一つには犬を大変怖がられたためもありました。もし....
「耳の日記」より 著者:宮城道雄
り出掛けないと言う。また寒くなると少し暖かくなる迄は引籠もっていると言う。そこへ
出不精な私がたまたま訪問しようと言うと、いや今※※に来られると二畳敷の所へ庭の外....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
松の大樹の上に冴えた月のかかっている夜などは殊によい。若いときは格別、近年は甚だ
出不精になって、旅行する機会もだんだんに少くなったが、停車場という乾燥無味のよう....
「目黒の寺」より 著者:岡本綺堂
い。殊に新市域に編入されてからは、碑衾町をも包含することになったので、私のような
出不精の者には容易に廻り切れない。 ほか土地はともあれ、せめて自分の居住する区....
「春風遍し」より 著者:小川未明
いました。そして、迫り来る春昏の愁しみを洩らすによしなかったのです。その頃から、
出不精の癖がついて、花が咲いたときいても、見物に出かけることもなく、いつも歩く巷....