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「出代り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出代りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を供に連れて出て、こっそりと意見をした。若殿さまのことは思い切って、来年の三月の出代りには無事にお暇を頂いて宿へ下がってくれ、と因果を含めて頼むように云い聞かせ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うかと思うと云いましたら、和吉さんはまあそんなことを云わないで、ともかくも来年の出代りまで辛抱するがいいとしきりに止めてくれました」 半七はうなずいた。 「い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ればいけない。年が若くて、寡言《むくち》で正直なものに限る。それから一つは一年の出代りで無暗《むやみ》に動くものでは困る。どうしても三年以上は長年《ちょうねん》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お直という女は、きのう出しぬけに暇を出されたそうだ。もっとも今月は八月で、半季の出代り月じゃああるが、晦日にもならねえうちに暇を出されるのはちっと可怪しい。これ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お杉は正直に答えた。自分は十七の春から雑司ヶ谷の吉見の屋敷に奉公して、この二月の出代りのときに暇を取って退がったと云った。吉見仙三郎は養子で、家付きの娘お千江と....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して、無理に暇を取って行った。先月にはお米が宿へ下がって、今月はお松が立ち去り、出代り時でもないのに女中がみな居なくなってしまったので、津の国屋では台所働きをす....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そこへ見当をつけて、女中のお嶋という奴をだまして訊いたのですが、この女中は三月の出代りから住み込んだ新参で、内外の事をあんまり詳しくは知らねえらしいのです。だが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けて十九でございます。ちょうど去年の九月、今までの奉公人が急病で暇をとりまして、出代り時でもないもんですから、差し当りその代りの女に困って居りますところへ、てま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
問いに対して、小幡は一向に心当りがないと答えた。縁者には無論ない。召使はたびたび出代りをしているから一々に記憶していないが、近い頃にそんな名前の女を抱えたことは....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
から暇を取ったのではない。主人の甥とあまり睦まじくすることが主人の眼にとまって、出代りどきを待たずに暇を出されたらしいと云う者もある。お玉ヶ池へ行ってからは、去....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
快を口実に本郷の方へ引き戻されることになりました。それは翌年の二月のことで、丁度出代り時であるのでお近さんともう一人、お冬とかいう女中がお暇になりました。下屋敷....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
度もせねばならぬ。馬鈴薯も植えねばならぬ。 彼岸前の農家の一大事は、奉公男女の出代りである。田舎も年々人手が尠なく、良い奉公人は引張り合だ。近くに東京と云う大....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
桂川 古雛の衣や薄き夜の市 盃の花押し分けて流れけり 堀止めのこゝも潮干や鰌掘り出代りて此処に小梅の茶見世かな 涅槃繪の下に物縫ふ比丘尼哉 曇る日や深く沈みし種....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
元禄時代の華美な風俗を背景として味わうと、花の盛りの頃に、紫頭巾か何かでゆく出代り婢の姿さえ、何となく美しいものに感じられるが、久女の水汲女の生活にあえぐ姿....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
ようになっていた。お菊は武州越ヶ谷の在から去年の春ここへ奉公に来て、今年の二月の出代りにも長年して、女房のお常にも娘のお熊にも可愛がられていた。時々に芝居やお開....