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「出処〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出処の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
問所、家厳はこれに桐楊塾と題したのである。漢詩の嗜がある軍医だから、何等か桐楊の出処があろう、但しその義|審ならず。 英吉に問うと、素湯を飲むような事を云う。....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
の鼻の隆い、痩せて面長なのが薄ら蒼く、頬のげっそりと影の黒いのが、ぶよぶよとした出処の定かならぬ、他愛の無い明に映って、ちょっとでも句が切れると、はたと顔も見え....
骨董」より 著者:幸田露伴
の有様を想見するに足りる談をちょっと示そう。但しいずれも自分が仮設したのでない、出処はあるのである。いわゆる「出」は判然しているので、御所望ならば御明かし申して....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
文を作ることを学んで怠らなかったのである。 故に其飜訳でも著作でも、一字一語皆出処があって、決して杜撰なものでは無かった。彼の「維氏美学」の如き、「理学沿革史....
連環記」より 著者:幸田露伴
修、行解並列の恐ろしい傑物であった。此の源信と寂心との間の一寸面白い談は、今其の出処を確記せぬが、閑居之友であったか何だったか、何でも可なり古いもので見たと思う....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
打衝る音|凄じく、室の内に躍り込むよと見えし、くるくると舞いて四隅の壁に突当る、出処なければ引返さむとする時、慌しく立ちたるわれに、また道を妨げられて、座中に踞....
星女郎」より 著者:泉鏡花
文字に、格子も嵌めぬ祠がある。ために字を熊坂とて、俗に長範の産地と称える、巨盗の出処は面白い。祠は立場に遠いから、路端の清水の奥に、蒼く蔭り、朱に輝く、活けるが....
化鳥」より 著者:泉鏡花
とくのは誰だろう誰だろうッて一しきり騒いだのを私は知っている。 で、この猿には出処がある。 それは母様が御存じで、私にお話しなすった。 八九年前のこと、私....
水の女」より 著者:折口信夫
だ。ただの神女群遊には、七処女を言い、遊舞には八処女を多く用いる。現に、八処女の出処比沼山にすら、真名井の水を浴びたのは、七処女としている。だから、七――古くは....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
田安家に奉ったものであっただろうとおもうが、佳品の朱で極めて丁寧に書いてあった。出処も好し、黒川|真頼翁の鑑定を経たもので、私が作歌を学ぶようになって以来、私は....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
他に意味なきがごとくなれども、ロセツの真意は政府が造船所の経営を企てしその費用の出処に苦しみつつある内情を洞見し、かくして日本政府に一種の財源を与うるときは、生....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
したものとして殆ど古今に比類無いほど立派なものであった。即、その国書の中には「日出処天子、致書於日没処天子」とあり、日本と支那とを対等の位置に置いてあったのであ....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
にも芝にも深川にもあるがごとし。かく言うは、あえて氏が取材を難ずるにあらず。その出処に迷うなり。ひそかに思うに、著者のいわゆる近代の御伽百物語の徒輩にあらずや。....
註文帳」より 著者:泉鏡花
トーローローだい。」 「こう、憚りだが、そんな曰附の代物は一ツも置いちゃあねえ、出処の確なものばッかりだ。」と件ののみさしを行火の火入へぽんと払いた。真鍮のこの....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
は我が国号としては、適当の文字では無い。 三韓人はまた一方に、我が国が東方|日出処にあるが故に、これを日本と称し、我が国でもそれを枕言葉として、「日の本のヤマ....