出外れる[語句情報] »
出外れる
「出外れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出外れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
型の如く汚れた縄暖簾、軒先の杉葉玉と「一パイ」と染抜いた浅黄|木綿の小旗が、町を
出外れると直ぐに、遠くから見えた。 中に這入ると居間兼台所と土間と二室しかない....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
売っているのに対して、いかにも原始的で、室でやりそうな商いではないか。三合五勺を
出外れると、定規でも当てがってブチきったように、森林が脚下に落ち込んで、眼の前に....
「旧師の家」より 著者:若杉鳥子
夜雨氏の信用を失ってしまった。余り度々師を失望させたからだ。 乗合自動車は街を
出外れると、細い田舎道を東へ東へと疾駆した。動揺の激しい時は、車ごと水田の中に抛....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
、安穏に一緒にくらした方が……) どんなによいかと思われるのであった。 宿を
出外れると松並木で、人通りなどはほとんどなく、夜啼き蝉の滲み入るような声が、半か....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
子を窺っているのであった。 翌日早朝友蔵は、釜無の方へ出かけて行った。忍野郷を
出外れるともう釜無の岸であった。土手に腰かけて一吹した。それから四辺を見廻したが....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
彩と人の顔とが入り乱れている雑沓の間をそろそろと自動車は動き出した。やがて市中を
出外れると一時間二十|哩の速力で自動車は猛然と走り出した。目差すところは森林であ....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
のない道を一路首都ランシングへ急行しつつある。それ程大事を取ったのだ。フリントを
出外れると、氷雨が落ちたりやんだりして、凍った路にタイアが辷った。何度も事故しよ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
を距てて宗対馬守《そうつしまのかみ》と大関|信濃守《しなののかみ》の二棟に当る。
出外れると加藤|大蔵《おおくら》、それから先は畦のような一本路が観音《かんのん》....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
いた。勘次はびっくりして聞き返した。藤吉の眼が嶮しく光った。勘次はそそくさと寺を
出外れると、そのまま屋敷町の角へ消えて行った。 四 「不浄仏《ふじょ....