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出帆
「出帆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出帆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出帆」より 著者:芥川竜之介
易に、君と僕らとを隔てる五、六年が、すぎ去ってしまうかもしれない。
君が横浜を
出帆した日、銅鑼《どら》が鳴って、見送りに来た連中が、皆、梯子《はしご》伝いに、....
「或る女」より 著者:有島武郎
れるような事でも起これば、国際問題だのなんだのって始末におえなくなる。それよりは
出帆まで船に寝ていらっしゃるほうがいいと、そこは私が大丈夫やりますよ。そしておい....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
、急げ、早く」 今から考えると、そのときどうして恐龍号にとびこんだか、どうして
出帆《しゅっぱん》したか、昇降口は誰がしめたのか、そんなことはすこしも記憶してい....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
足跡よりも先に消したと見えて、消し方がずっと丁寧である。 「さあ。僕等もこの辺で
出帆しよう。大分風も強くなって来た」 私達は船に乗り込んだ。大きな大檣帆は暫く....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
町に引越した。斎藤という洋服屋の裏の小さな家だった。そして父がまだ宇品で御用船の
出帆を待っている間に、母に男の子が生れた。父から「イサムトナヲツケヨ」と電報が来....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
顔を挙げると、 『その天祥丸と言う汽船は、何処からやって来たんです?』 『神戸|
出帆です。』技師が答えた。 『神戸――? で、寄港地は?』 『四日市だけです。』....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
……」 金博士の姿は、こんどは埠頭に現れた。幸いに八千|噸ばかりの濠洲汽船が今
出帆しようとしていたところなので、博士はこれ幸いと、船員をつき突ばして、無理やり....
「火薬船」より 著者:海野十三
う。そしてだれにも気づかれぬうちに死骸をうまくかくしてしまいましょう。われわれの
出帆までに発見されなければいいでしょうから」 警部モロの身の上について、おそる....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ますよ」 川上機関大尉は、早くもリット少将の悪企を察し、汽船ブルー・チャイナ号
出帆の約二十分後、二人は夜の闇を利用してひそかに海中にすべりこみ、この大危難から....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
らねえで、すぐに、汽船だよ、船だよ。」 銀鎖を引張って、パチンと言わせて、 「
出帆に、もう、そんなに間もねえからな。」 「おお、暑い、暑い。」 「ああ暑い。」....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に泡沫を立てて、鮫が腹を赤く出していた、小さな汽船がそれなんです。)――日暮方の
出帆が出来なくなった。雑用宿の費に、不機嫌な旦那に、按摩をさせられたり、煽がせら....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
意見が勝ったからだそうで、不思議に加茂丸へ移乗した時は担架で運ばれたほどの重態が
出帆してから次第に元気を恢復して来た。末永大阪商船支配人の特別の依頼といい、朝日....
「西航日録」より 著者:井上円了
のごとく、江山を照らさずしてわが心を照らす)とうそぶけり。十八日滞泊、十九日正午
出帆、二十日朝門司着。哲学館出身者泉含章氏、小艇をもって出でて迎うるあり。余これ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。わが同胞のここに寄留せるもの約千人にして、寺院および学校の設備あり。ホンコンを
出帆してより、わが船南東に向かいて進行するに、東北風に送られて少しく揺動す。しか....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
だ、これなら安全でしょう?」 三人の刑事に保護され、無事にホテルを出た。しかし
出帆までにはまだ大分時間があるので、運転手は気を利かせ徐行していたので、後から来....