出格[語句情報] » 出格

「出格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出格の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
阿部一族」より 著者:森鴎外
し上げて仰せつけられたのか」 「そうじゃ。外記殿が殿様に言われた。数馬は御先代が出格のお取立てをなされたものじゃ。ご恩報じにあれをおやりなされいと言われた。もっ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
目を円くしたおとなや子供でとりまかれてしまった。あまりのうるささに、彼は街道風な出格子の二階の見える旅籠屋の入り口をさして逃げ込んだくらいだ。 ホルサムが思い....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
土部三斎隠居屋敷、通用門の潜りを叩いて、 「御門番、御蔵前の門倉だ」 長屋門の出格子から、不精《ぶしょう》そうな門番の顔が覗いたが直《じ》きに、扉が開く。 「....
堺事件」より 著者:森鴎外
こう云って再び座を起った。 又良暫くしてから、今度は下横目が出て云った。 「出格の御詮議を以て、一同士分のお取扱いを仰せ付けられる。依って絹服一重ずつ下し置....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よ」 「ははあ、あれが伊東だったか」 「今は、伊東は大将なんだぜ、御陵衛士隊長と出格して、新撰組の近藤と対立の勢いになったのだ」 「そうか、そうして君はいったい....
興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
成り候事、存じ寄らざる儀と存じ、落涙候事に候。 その後某は御先代妙解院殿よりも出格の御引立を蒙り、寛永九年|御国替の砌には、三斎公の御居城|八代に相詰め候事と....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
日ぐっと冷えたが、また、ねじが戻って、この三四日は、春のような暖かさ。 黒塗の出格子窓から射しこむ陽の光が、毳《けば》立った坊主畳《ぼうずだたみ》の上へいっぱ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
まったので、あたりはひっそり閑《かん》。 このへんは寺や屋敷だけの町で、黒門に出格子窓。暮れると人通りもない場所で、聞えるものは空ッ風と犬の遠吠えばかり。 ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
で、私もこれは好いと思い、早速行って見ますと、なるほど、これは格好、往来に向いて出格子の窓などがあり、茶屋町の裏町になった横丁だが四方も物静かで、父の申す如く彫....
興津弥五右衛門の遺書(初稿)」より 著者:森鴎外
節を相待ちおり候ところ、御隠居松向寺殿は申に及ばず、その頃の御当主妙解院殿よりも出格の御引立を蒙り、寛永九年御|国替の砌には、松向寺殿の御居城|八代に相詰め候事....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
として恥かしくない気品も実際あった。 で――軒から軒の浅黄|暖簾や、紅ン殻色の出格子のうちから、 「そこへ行く、美い男さま」 「おすましの編笠さん」 「ちょっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
すともいえるほどな繁昌さである。 すぐ近くに、汐のさす黒い堀が通っているので、出格子だの、紅燈の下だのには、よく見ると、船虫や河蟹がぞろぞろ這っていて、それが....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
り戻って行った。 店と聞いていたが、暖簾も看板も懸けてはない。渋で塗った三間の出格子に、二た戸前の土蔵がつづき、その他は高塀で取り繞らしてある。入口には、蔀障....