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出水
「出水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
色が碧《あお》く映って、秋の雲の白い影も時どきにゆらめいて流れた。低い堤は去年の
出水《でみず》に崩れてしまって、その後に手入れをすることもなかったので、水と陸《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
年六月十五日の夜は、江戸に大風雨があって、深川あたりは高潮におそわれた。近在にも
出水がみなぎって溺死人がたくさん出来た。そのおそろしい噂がまだ消えないうちに、同....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
残った瓜を取って売りに出ると、中身はみな空になっていた。 徐は天候をうらない、
出水や旱のことを予言すると、みな適中した。かつて大将軍|孫※の門前を通ると、彼は....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
はたしかに判っている。その偉い人の骨は瑞鳳殿というのに斂められている。さきごろの
出水に頽された広瀬川の堤を越えて、昼もくらい杉並木の奥深くはいると、高い不規則な....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
姿をあらわしてから十一年目の秋である。八月の末に霖雨が降りつづいたので、利根川は
出水して沿岸の村々はみな浸された。平助の小屋も押し流された。それがために房川の船....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
をあたえて、大を当洪といい、次を破阻といい、次を撲岸と呼んだ。 そのうちに暴雨
出水と共に、三つの蛟はみな行くえを晦ましたが、その後も雨が降りそうな日には、かれ....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
おしてもあかりがつかなかった。 そのくらやみの中で、八木君は足でさぐりながら、
出水口の様子をしらべた。 「うむ、すごいいきおいで、水が下からわいてくる。これは....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
杭が鼻の穴のようになったため水を驚かしたのであろうも知れない。 僥倖に、白昼の
出水だったから、男女に死人はない。二階家はそのままで、辛うじて凌いだが、平屋はほ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
めいたが、そのじめじめとして、陰気な、湿っぽい、ぬるぬるした、不気味さは、大河の
出水の凄いに増る。 そんな水がどこへ出た、と言われたら、この部屋一面、と答えよ....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
。むかしから堤が低く、地面と水との距離がいたって近いので、ややもすると堤を越えて
出水する。僕の子供のときには四年もつづいて
出水したことがあった。いや、これから話....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
川や深川の沖にかかっていた大船小舟はことごとく浜辺に打揚げられた。本所、深川には
出水して、押流された家もあった。溺死した者もあった。去年の地震といい、ことしの風....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
かすような月夜になったが、昨夜から今朝へかけて暴風雨があったので、大川は八|分の
出水、当深川の川筋は、縦横曲折至る処、潮、満々と湛えている、そして早船乗の頬冠を....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
がたくさん降ればその年は豊年である、あるいは烏が木の梢に巣を作るときは、その年は
出水がある、また、木の根に巣を作るときは、その年は大風が起こる、すなわち烏が風雨....
「迷信解」より 著者:井上円了
しく冬暖かに、奥より勝手向きの便利をよくし、盗賊、火災の防ぎ方を設け、低地の所は
出水の手当ていたし、小破れを繕い、火の用心を大切にして住む家を、すなわち吉相の家....
「しんぱくの話」より 著者:小川未明
す。そして、それは人間ばかりとかぎっていなかった。 あるときは、雨がつづいて、
出水のために、あるときは、すさまじいあらしのために、また真に怖ろしい雪のために、....