出立[語句情報] » 出立

「出立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

出立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
た。翌朝お千代が来た時までに、とにかく省作がまず一人で東京へ出ることとこの月半に出立するという事だけきめた。おとよは省作を一人でやるか、自分も一緒に行くかという....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
鉱山事務所にて働いていられる。 八月二十七日 ◯徹郎、朝子、育郎の三名、広島へ出立す。同宿の中川夫人と芳子ちゃんもいっしょなり。 英も私も育郎坊やを放すこと....
怪塔王」より 著者:海野十三
りました。一彦は命を助けてくれた炭やき爺さん木口公平にあって、お礼をいってそこを出立しました。 入院 1 怪塔ロケットがしずんだ海面は、あいか....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
を移し、露を払った篠懸や、兜巾の装は、弁慶よりも、判官に、むしろ新中納言が山伏に出立った凄味があって、且つ色白に美しい。一二の松も影を籠めて、袴は霧に乗るように....
南地心中」より 著者:泉鏡花
から見物に出掛けた……この初阪とは、伝え聞く、富士、浅間、大山、筑波、はじめて、出立つを初山と称うるに傚って、大阪の地へ初見参という意味である。 その男が、天....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
首が出たように、立すくみになったのは、薩摩絣の単衣、藍鼠無地の絽の羽織で、身軽に出立った、都会かららしい、旅の客。――近頃は、東京でも地方でも、まだ時季が早いの....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
揄である。これが出来上った時、しかも玉虫色の皆絹裏がサヤサヤと四辺を払って、と、出立った処は出来したが、懐中|空しゅうして行処がない。まさか、蕎麦屋で、かけ一、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ない事を知り、何よりもまず篠田に逢ってと、こう存じましたので、急がぬ旅ながら早速出立を致しました。 その柏屋を立ちまする時も、お雪はまだ昨夜のまま寝ていたので....
良夜」より 著者:饗庭篁村
類の間には彼の三十円あれば、据風呂の中へ入りながらも首を伸してこれを看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くというその夜は誰も安心して必ず其....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、ローマで十二枚にわたる長文の返事になっていた時なので、 「サー・デビーが英国を出立する前、下僕が一緒に行くことを断った。時がないので、代りをがある。」 「しか....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
ても行来は出来ぬのであった。 勝成裕及び立花直芳の一行十五人は、入折戸を未明に出立して、路なき処を滅茶滅茶に進んで行った。谷川を徒歩わたりし、岩山をよじ登り、....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
又|如何にも清らであった。 「有難い有難い、これが本統の渡りに舟だ。さア御前、御出立と致しましょう。ここの取りはからいは万事愚庵が致しますから、さアさアお先へお....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
道にかかるという。例の荷はあり、宵の間に荷かつぎを頼んで置いたが、この暴風雨では出立出来ようかと、寝られない夢に悩んだ。風は、いよいよ強い、しかし雨は小降になっ....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
おりました。このごろちょっと帰京して参ったので、いずれ四、五日中には再びこの地を出立して、山陰道諸県下を巡回いたすつもりでござります。それはほかに少し目的がある....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
カ書クコトガモットアッタツモリデシタガ、丁度妹ノモトカラ電報ガ今届キマシテ、急ニ出立ノヨウイニカカリマスノデ、コノ辺デヤメテ置キマス、シリキリトンボ。乱筆御用捨....