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出迎える
「出迎える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出迎えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
は、夫の同僚が亜米利加《アメリカ》から、二年ぶりに帰って来る。――千枝子はそれを
出迎えるために、朝から家《うち》を出て行ったが、君も知っている通り、あの界隈《か....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ものの、とにもかくにも先輩でしたから、何ご用かと名人みずから立ち上がって縁側まで
出迎えると、こやつ、よくよく生まれながらのかたき役でした。顔じゅういっぱいのあば....
「新生」より 著者:島崎藤村
然《しょうぜん》と帰って来たことを知ろう筈もなかった。果して停車場の構内には彼を
出迎える子供等の影さえも見えなかった。彼は停車場の出口のあたりを歩いて見た。靴の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
るる路地の宵。格子戸を憚って、台所の暗がりへ入ると、二階は常ならぬ声高で、お源の
出迎える気勢もない。 石鹸を巻いた手拭を持ったままで、そっと階子段の下へ行くと....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
猶も余を背後に従え我宿に帰着き我室の戸を叩きしは夜も早や十時過なりき、戸を開きて
出迎える細君は待兼し風情にて所天の首にすがり附き情深きキスを移して「あゝ到頭お帰....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
人を誘い合わせ、羽織に無刀、扇子をさして、西の宿境までそれらの一行をうやうやしく
出迎える。そして東は陣場か、峠の上まで見送る。宿から宿への継立てと言えば、人足や....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
その日、十四日は薩州藩から護衛兵を出して、小蒸汽船で安治川口に着く各国公使を
出迎えるという手はずであった。その日の主人役はなんと言っても東久世通禧であったが....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たような心持ちでいるところであったから、偶然にもその客がはいって来た時、玄関まで
出迎える亭主を見るといきなり向こうから声をかけたが、まるでその声がわざわざ見舞い....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
たら、ギョッとしたわね。でも、到着の時間は教えてやりませんでした。なぜなら、私が
出迎える必要がありましたからね。そして、もう着いたころよ、とごまかしておいたんで....
「桜の園」より 著者:神西清
(あくび、のび)おれもいいところがあるよ、とんだドジを踏んじまった! 停車場まで
出迎えるつもりで、わざわざここへ来ていながら、とたんに寝すごしちまうなんて……。....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
まうのだった。けれども、父と娘とはとうとう姿を見せた。そしてプロス嬢はその二人を
出迎えるために表戸口のところに待ち構えていた。 たとい荒っぽくて、赭ら顔で、怖....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
から共鳴している人たちばかりだったので、かれにはもう顔なじみになっていたし、ただ
出迎えるといった程度でよかったのである。ところが、その日は、いつもの来賓がまだ一....
「地上」より 著者:島田清次郎
らむ四月のはじめ、平一郎は母に別れてひとり上京することになった。上野駅へは冬子が
出迎える筈だった。(さようなら、母さん、御機嫌よう、僕は母さんの独り子であること....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
りたくてまいりましたので……」 「まあ阿母さん、よくまあ!」とお光は急いで店先へ
出迎える。 媼さんはニコニコしながら、「とうとうお邪魔に出ましたよ。不断は御無....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
見受け申しませぬ。 領主 (失望し)そんな筈はないのだが。(間)とにかく玄関まで
出迎えることにしよう。(領主を先に、従者、童、退場。間もなく玄関にて再び領主万歳....