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出養生
「出養生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出養生の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
めたが、踊りたがらなかった。二年たって、八重子は軽い肺炎に罹り、南紀の白浜温泉に
出養生した。ある日、彼が見舞いに行くと、八重子は旅館のホールで見知らぬ男と踊って....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
きい金物問屋で、そこのお内儀《かみ》さんがとかく病身のために橋場《はしば》の寮に
出養生をしている。台所働きの下女はあるが、ほかに手廻りの用を達《た》してくれる小....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
死んで以来はじめてのニコニコした顔を見せた。 柳吉はやがて退院して、湯崎温泉へ
出養生《でようじょう》した。費用は蝶子がヤトナで稼いで仕送りした。二階借りするの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちやま》の狂言を御存知でしょう。三千歳《みちとせ》の花魁《おいらん》が入谷の寮へ
出養生をしていると、そこへ直侍《なおざむらい》が忍んで来る。あの清元の外題《げだ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
限ります。」 医者もこう勧め、両親もそう思って、お嬢さまはしばらく下屋敷の方に
出養生ということになりました。大きい旗本はみな下屋敷を持っています。三島家の下屋....
「わが町」より 著者:織田作之助
話が出されたことなども、ちらと想い出された。 柳吉はやがて退院して、湯崎温泉へ
出養生した。費用は蝶子がヤトナで稼いで仕送りした。二階借りするのも不経済だったか....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
た。」 「五つ!」 「ええ、ええ、お前様。」 「誰と誰と、ね?」 「はじめがその
出養生の嬢様じゃ。これが産後でおいとしゅうならしった。大騒ぎのすぐあと、七日目に....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
んが、ポツンと一人住んでいたころなので、私が子供のくせにふさぎの虫を起すと、母は
出養生《でようじょう》の意味で、あの心持ちの至極のんびりしたおばあさんの家へ私を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、葛西領《かさいりょう》渋江《しぶえ》の、まろうど大権現《だいごんげん》の寮へ、
出養生《でようじょう》を名に出むいているけれど、またなにかよからぬたくらみをして....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
湯というのは京橋|木挽町河岸にあった。そんなわけで鶴見はさっそくそこへ遣られた。
出養生である。幼少の鶴見にとっては、これが家庭以外の世間というものにはじめて触れ....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
うぞ。」 などと怨《うら》みをいうのとは違う。お雪が煩《うる》さくなって、病気|
出養生《でようじょう》と、東福寺の寺内《じない》のお寺へ隠れると、手を廻して居ど....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
不幸中の幸ともいうべきは愛娘《まなむすめ》のお露が、その時寺島村の寮へ乳母と共に
出養生に来ていたことと、虫の報せとでもいうのか、死んだ叶屋の主人が、三千両という....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
にあいました。尾道に夜遅く着くと思いもよらぬ姉の重患にてちょうど担架にのせられて
出養生するところでした。私はこの姉の病気のことは全く知らなかったので驚きました。....
「上野」より 著者:永井荷風
、ここにうつしてみつや町に、人のしりたる温泉あり。夏は納涼、秋は菊見遊山をかねる
出養生、客あし繁き宿ながら、時しも十月中旬の事とて、団子坂の造菊も、まだ開園には....