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「刀自〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刀自の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
第八章 一 母刀自の枕屏風に いやしきもたかきもなべて夢の世をうら安くこそ過ぐべかりけれ 花紅....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
る途端に、その言葉が舌の上に乗ってきた。早く赴いて、早く引捕えられるものなら、帯刀自身で出馬してもらいたいものであると思った。それにしても、あの狸親爺め、よく五....
社会時評」より 著者:戸坂潤
人の華族の子弟の一人公爵岩倉具栄氏の令妹靖子嬢は保釈中自宅の寝室でいたましくも剃刀自殺を遂げたのである。新聞が報道する処によると、名門の名をけがした自責の念の余....
死者の書」より 著者:折口信夫
ていた考えが、現実に繋って、ありありと、目に沁みついているようである。 ああ耳面刀自。 甦った語が、彼の人の記憶を、更に弾力あるものに、響き返した。 耳面刀自。....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
傍の桜井女学校へ入学させた。校長は、今は誰れにも知られている矢島|楫子《かじこ》刀自であったので、宗教上の教育も受ける事になり、また私の妻も時々説教を聞く事にな....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
わち以前三条西家にも奉公した履歴のある者だろう。『親長記』文明六年の条に、内侍所刀自が病気になったにつき、親長は実隆の家の青侍林五郎左衛門といえる者を医師として....
源氏物語」より 著者:紫式部
するのである。古くさい書物|棚《だな》から、唐守《からもり》、藐姑射《はこや》の刀自《とじ》、赫耶姫《かぐやひめ》物語などを絵に描いた物を引き出して退屈しのぎに....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
○ 河上の五百箇磐群に草むさず常にもがもな常処女にて 〔巻一・二二〕 吹黄刀自 十市皇女(御父大海人皇子、御母額田王)が伊勢神宮に参拝せられたとき、皇女....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
に退校した。その後は他で勉学したとは公にはされていない。十九年になって中島歌子|刀自《とじ》の許《もと》へ通うまでは独学時代であったろうと考えられる。 それま....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
つ咲き出して来たね。」 鶴見は縁側をゆっくり歩いて来て、部屋に這入りしなに、老刀自に向って、だしぬけにこういった。静かに振舞っているかと見れば性急に何かすると....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
い人なのだろうと出かけてゆくと、立派な家《うち》で、集まっている人たちも、浜子|刀自《とじ》とは、どんな人かとみんなが堅くなっていると、現われたのは、紫の振袖《....
だいこん」より 著者:久生十蘭
り》をたてて騒いでいる。不穏な形勢だと知らせてきた。しばらくするとこんどは表町の刀自さまから、反軍と学生の集団が首相官邸と平沼さんの邸へ爆弾を投げこんで火をつけ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
……では、そのはなしをすることにしましょう。 実は、先日来、大隈未亡人|綾子刀自が御重体であると新聞紙上で承り、昔、お見知りの人のことで、蔭ながらお案じして....
雪柳」より 著者:泉鏡花
。――またお察しを願うとして――実は逢いたかった。もっとも白山へ来訪をうけた尼|刀自へ返礼に出向いたいのに、いつわりはないのですが、そんな事はどうでもいい。また....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
出でて活動し初めた。九十の老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢島楫子刀自を初め今は疾くに鬼籍に入った木村|鐙子夫人や中島湘烟夫人は皆当時に崛起した。....