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分れ目
「分れ目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分れ目の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
》蝶の翼のような帆影が群っているのを眺めると、新蔵はいよいよ自分とお敏との生死の
分れ目が近づいたような、悲壮な感激に動かされて、思わず涙さえ浮めました。ですから....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
予防手段は、それが後、真に死物狂い式なものがあった。「厘毫の間違いが地獄、極楽の
分れ目」という坊主の説教をそのままに、彼女は自分自身を陥れる、身の毛の辣立《よだ....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
五万石を与えてここに葵柱石の屋敷をも構えさせたのに、今はその水一つが敵と味方との
分れ目となって、護らねばならぬ筈の徳川|御連枝たる水藩が、率先勤王倒幕の大旆をふ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それがどうも、滑稽としか見えないのは、この人物の持味《もちあじ》の、幸と不幸との
分れ目でしょう。 見る人が無い、笑う人が無いから、この滑稽の持腐れは思いきって....
「暁光」より 著者:宮本百合子
漸う出来た私の智慧の庫(それは、額の両端が、際立って発達して、手でさわると二つの
分れ目にあたる中央部はズーッと凹んで居る)を、この児は、生れながらにして至極小さ....
「白痴」より 著者:坂口安吾
ようにきまってしまった。他の役員共はこれが分るとさっそく醵金をやめてしまい、この
分れ目の一ヶ月分の生活費は豆腐屋が負担すべきだと主張して、支払いに応じない八百屋....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、変則な好景気に浮わついていた。それはこの都府が、政治的にも、戦略的にも、日本の
分れ目を握っていて、重要な作用を持っているからである。
だから、全国中でも、こ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
付一本が、天満組の俺たちや、甲賀家のお千絵様、また弦之丞様たちが、一生涯|浮沈の
分れ目……」 自分の手で入れた書類が、箱の底へゴソリと落ちこんだ音に、かれは一....
「三国志」より 著者:吉川英治
勢も一万を下りません。ただし、閣下のご決意はどうなったのですか。乾坤一|擲のこの
分れ目は、区々たる兵数の問題でなく、敗れを取るも勝利をつかむも、一にあなたのお胸....
「三国志」より 著者:吉川英治
操と戦って赤壁に大捷を得たといっても、まだ曹操そのものは仆しておりません。成敗の
分れ目はこれからです。一面に、呉君孫権には、先頃からまた、合※方面を攻めておらる....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
などの改良を行ったならば、この被害を殆ど一掃し得るはずである。アメリカでは樹枝の
分れ目に細い鉄の棒を捻《ね》じ込み、それの両端を止めて置くのである。かくすればも....
「日本の民衆と「日本的なるもの」」より 著者:戸坂潤
ある。 で問題は、諸君自身の「自分」とは何かということになる。 そこが話しの
分れ目だ。 (一九三七・三)....