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分与
「分与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分与の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ばならぬ。 人間は人間だ。野獣ではない。天使でもない。人間には人間が大自然から
分与された本能があると私はいった。それならその本能とはどんなものであるかと反問さ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
太陽からの輻射を吸収して約五〇ないし六〇度の温度となり、そうしてその温度をガスに
分与するのである。それで両者いずれの場合でも、温度が高さとともに減ずる割合はリッ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
婦が妬ましくなった。片山君も十年精勤の報酬の一部として、牧場内の土地四十余町歩を
分与され、これから関家を辞して自家生活の経理にかゝるのであるが、過去十年関家に尽....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
福岡の人林大寿氏は奇特の人で、只圓翁の自筆の短冊数十葉を蒐集し、同翁の門下生に
分与しようとされたものが現在故あって一纏めにして古賀得四郎氏の手許に預けられてい....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ない。狂犬病の予防のためなどだけなら、野犬狩りの行為は、残忍だという印象をさえ多
分与えないだろう。経済上の必要が直接その後ろにかくされている時初めて或る行為が残....
「自由主義私見」より 著者:豊島与志雄
由主義は最も強く感ずる。それは、観念的な自由が、政治的に或は経済的に如何に各人に
分与されるかの問題ではなく、生活それ自体が自由の面を如何ほど保有してるかの問題で....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
が馬車屋に仮装して一月にしばしばそこに旅をして、兵士らにクロア・ドンヌール勲章を
分与し、市民らに多くの金貨を与えた、というような噂《うわさ》が立てられていた。が....
「高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
っていまして、それは返還の仕方がない事情にありました。なお、多量のウイスキーまで
分与されていました。それらのものを、彼は杉茂登で消費にかかったのでした。――そう....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て、志道軒、正司、幸平、常友のところへやり、倉三が立ち去る日の午すぎに当日財産を
分与するからと参集を命じた。志道軒と常友は当日約束の貸金元利とりそろえて持参のこ....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
意を示しておられたので、快よく血液型決定の方法を教えて呉れて、それに必要な血清を
分与されたのだった。 私は早速父母を始め弟妹の血液型を調べたが、思いがけない結....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
京に出てきた。むずかしい表情はしているものの、やはり社会大変革の手が当時の若者に
分与した夢を抱いていたのだろう。否でも応でも抱かねばならなかった立身出世の夢であ....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
ます。あるいは俊夫君がある事件を解決して多額の報酬を貰うと、それを羨んで、金員を
分与せよなどという虫のいい要求を致してきます。 俊夫君は、それらの脅迫状や脅迫....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
同信徒ありという。 オランダにても政府より宗旨保護のため、毎年巨額の金を各宗に
分与す。一八八九年の表によるに、新教宗に十一万五千六百五十二ポンド(英貨)、ロー....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ると言うのなら、私たちはこれから成る仏陀であります、覚者であります。その資格は充
分与えられているのであります。私たちに対して諸仏諸祖は先輩であるに過ぎません。そ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ては、いきおい失業の徒の続出とならねばなりません。長吏が従来の縄張りをその子弟に
分与するとしましても、そういつまでも続くものではありません。のみならず、国家の秩....