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分力
「分力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
ふかで》を負っていようとは知らずに酒を飲んでいた。何事も打明けて相談して見たら随
分力に成ってくれそうな、思慮と激情とが同時に一人の人にあるこの友人の顔を見ながら....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
五日 ◯敵B29、六十機名古屋地区へ主力を、また三重県の宇治山田、浜松、静岡へも
分力を以て来襲す。 東京へは七十三機ばかり来た。横浜方面と思われる方向で、えら....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たに他の種を仕付けて使わねばならぬような、格段の役目がない故、新種を飼い擾すに十
分力が出ぬのじゃろう。すなわち馬と驢が、数千代の永い間仕付けられて、ますます有用....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
しても大きいなあ」「十二とは思われない」「十九、二十、二十一、二には見える」「随
分力もありそうだぞ」「あの力でみっちり殴られたら」「そりゃ随分に痛かろうさ」 ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いもので、親の力でどうしようもないものだから、結婚するまでの女の子の教育に親は十
分力を尽くすべきだと思う。私は娘を一人しか持たなくてその責任の少ないのがうれしい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
る健全がなければ書けない展望に立って、この時代の鏡としての婦人作家の歴史だけは十
分力を入れてまとめます。〔中略〕
いわゆる文学的素質というものはない人々によま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
におれるものか。僕に対抗してなされた団結ではあっても……。なあに、僕のほうにも十
分力はある……。それにまた、僕たちを巻き込む流れ、心のうちに眼覚《めざ》めてくる....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のでそのままになっている。何だか生き返ったような気もする。」
「あなたにはまだ充
分力もあり元気もあります。」とマリユスは叫んだ。「そんなふうで死ぬものだと思って....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
すべきことはなおたくさんある。人口と食物との増加の比較という、今まではおそらく十
分力強くまた正確には述べられていない問題を別としても、この問題の中最も特異な興味....
「競漕」より 著者:久米正雄
て行けば競争までには楽に五分漕げることになるよ。三分どこが一番苦しいんだ。今の三
分力漕を十分仕上げておけばあとの二分はその割に苦しくないもんだよ」と窪田は慰撫的....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
を語り、彼が命の価なる三十金を渡し、阿園が尼になるべき余儀なき願いに対しては、十
分力を添うべきことを約して、哀れの寡婦を涙の海に残して帰りぬ、 翌朝阿園が里方....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
富が両側にならんでいるのに、今は右も見ず左も見ずに真直ぐに厩へ歩いてゆき、思う存
分力をこめて馬をなぐったり蹴ったりして、乱暴にたたきおこした。馬はここちよい場所....
「音楽界の迷信」より 著者:兼常清佐
である。指紋を取るように指を平に延べたらいけないという類である。しかしこれは単に
分力の問題である。そして鍵盤の沈む角θは普通5度内外であるから、この場合 勝手に....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
自分は幸運であった。 先生が亡くなられて、自分は他の多くの弟子たちと同様に、随
分力を落した。そして今日のような時勢になると、切実に先生のような人を日本の国に必....
「偶言」より 著者:津田左右吉
、または或る意味においては元禄時代の如く、気力の横逸し、生命の緊張した時代には随
分力の強い、規模の大きい芸術が生まれている。過去ですら、そうであった。おとなしい....