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分去
「分去〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分去の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
謹《つつし》んで、宜道のいう事に耳を借した。けれども腹の中では大事がもうすでに半
分去ったごとくに感じた。自分は門を開《あ》けて貰いに来た。けれども門番は扉の向側....
「一つの芽生」より 著者:宮本百合子
説のようなことを信じていると云ったのを思い出したのである。 そのとき彼は――多
分去年中のことであった――若し自分がこの家でないどこかの家に生れて、食べる物もな....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
アンダ(睾丸または卵)を潰すなかれ、我輩腹中の果を破るなかれ」と。これは帝釈は自
分去勢されたが(帝釈雄鶏に化けて瞿曇《くどん》仙人の不在に乗じ、その妻アハリアに....
「雉子日記」より 著者:堀辰雄
二時の汽車で帰るというので、昼飯を早目にすませてから、お別れに村の西のはずれの、
分去《わかされ》のところまでぶらっと散歩に行った。馬頭観音《ばとうかんのん》やな....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たちがのぼった古松の生えた赤土の崖などはどこにもなくなってしまった。そのことは多
分去年の夏、あなたに其那スポーツは体の弱っているときにするべきでない、と云われた....
「食慾」より 著者:豊島与志雄
どく快活な様子になりました。小浅間の肩の峯の茶屋まで自動車で行き、それから歩いて
分去の茶屋まで行き、そこで街道をすてて左にはいると、もうすぐに、なだらかな斜面の....
「森の石松」より 著者:山中貞雄
しに来たんだろう?」 「さ――?」 「まッ、此方へ通せ」 「へッ」 と児
分去る。 七五郎と石松、小声で、 「清水の次郎長が一体何しに来たんだろう」 ....