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分岐
「分岐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分岐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの道」より 著者:有島武郎
い。
三
松葉つなぎの松葉は、一つなぎずつに大きなものになっていく。最初の
分岐点から最初の交叉《こうさ》点までの二つの道は離れ合いかたも近く、程も短い。そ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の力強さと鋭さを考えさせる。力ある弧状を描いて走るその電光のここかしこに本流から
分岐して大樹の枝のように目的点に星馳する支流を見ることがあるだろう。あの支流の末....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が大きいか小さいか、軽いか重いか丸いか角張っているか、卵形か円形か、あるいはまた
分岐しているか平坦であるかによって、どういうふうに物の性質の相違が起るかというこ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
と、境が話した。 昨夜は松本で一泊した。御存じの通り、この線の汽車は塩尻から
分岐点で、東京から上松へ行くものが松本で泊まったのは妙である。もっとも、松本へ用....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
それに、その葉かげから、隣りの料理屋の綺麗な庭が見える。燈籠やら、いくつにも
分岐した敷石の道やら、瓢箪なりの――この形は、西洋人なら、何かに似ていると言って....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ろくも折れて、腕は空を衝き、勢あまって頭を壁にガーンとぶっつけた。 生死の
分岐点 そのときの僕の残念さといったら、口にも文字にもあらわせなかった。二月ば....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
急に下りでもしたかのように、スーッと薄暗くなる。そのうえに、線路が悪いせいか又は
分岐点だの陸橋などが多いせいか、窓外から噛みつくようなガタンゴーゴーと喧しい騒音....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
だよ。その証拠には糞尿を洩らしているし、鞏膜に溢血点が現われている。そこで重大な
分岐点になるのは、最後の呼吸――すなわち刺される、いや君の説によると刺した瞬間前....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、一段ずつ、冷しさまされて行く夢心地であった。 階段を上り切ると、夫婦の部屋の
分岐点である。 夫人の部屋は左へ、前川の書斎、居間、寝室は、右へぐるりと建物を....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
うしてなかなか賑やかな駅路で、戸数五百遊女三百、中仙道と北国街道との、その有名な
分岐点として、あまねく世間に知れていた。 まず有名な遊女屋としては、遊女七十人....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
展けてい、林や森や耕地があった。左へ行けば赤尾村、右へ行けば高萩村、双方へ行ける
分岐点、そこに六地蔵が立っていて、木立がこんもり茂っていた。そこまで行くと立ち止....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
主義の迷夢が低迷しつつある。 今や国民は国民の総意か一部の暴力かの、二者択一の
分岐点に立ちつつある。此の最先の課題を確立すると共に社会の革新を行うに足る政党と....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
焼長者の物語は恰好の産物である。奥羽の藤太と豊後の小五郎とが、もと一つ筋の譚から
分岐した兄弟であることは何人も疑わないところであろうが、それが黄金花咲く陸奥から....
「絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
者の私には実に冷たい悲しい事に感ぜられるのである。此所が私にとって、文芸の二者が
分岐する道であると思われるのである。 即ち一は此の生活の根柢の何であるかを問わ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
しい。今後果してドイツがこの海峡の制海権を獲得し得るや否やが決戦戦争の能否の第一
分岐点である。 昨年九月以降のロンドン猛爆の結果より見て、今日の発達した空軍で....