» 分捕

「分捕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分捕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、木部の下宿《げしゅく》の一間《ひとま》で執り行なわれた。そして母に対する勝利の分捕《ぶんど》り品《ひん》として、木部は葉子一人のものとなった。 木部はすぐ葉....
春昼」より 著者:泉鏡花
に胸高は沙汰の限。前のは御自分ものであろうが、扱帯の先生は、酒の上で、小間使のを分捕の次第らしい。 これが、不思議に客人の気を悪くして、入相の浪も物凄くなりか....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ら破壊されて殺風景なただの人肉市場となってしまった。蓄妾もまた、勝誇った田舎侍が分捕物の一つとして扱ったから、昔の江戸の武家のお部屋や町家の囲女の情緒はまるで失....
海底大陸」より 著者:海野十三
たのであった。 午後八時――それは、大西洋上の時刻であった。ながらく海底大陸に分捕られていた巨船クイーン・メリー号はいまや奇妙なる帰還の途にのぼることとはなっ....
怪塔王」より 著者:海野十三
腕がなってしかたがないところでありましたので、怪塔王にいわれるままに、ロケットを分捕ってしまう決心をかため、階段をかけおりました。 「どちらへお出かけになります....
火星兵団」より 著者:海野十三
方であった。 「こんど丸木に出会ったら、僕は、どんなことがあっても、あいつの首を分捕ってやる」 佐々刑事は、そんなことを言っていた。 「怪人丸木の首を分捕る?....
火薬船」より 著者:海野十三
、きっと形をあらため、かたりだしたところによると、 「――この平靖号は、中国から分捕った貨物船でありまして、払下手続をとって手に入れたものであります。この汽船に....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
正太の妹のマリ子そっくりであった。二人は仲よく手をつないで、会場にならんでいる、分捕の中国兵器やソ連兵器を、ていねいに見てまわった。 「かわいい坊っちゃんにお嬢....
大空魔艦」より 著者:海野十三
日本の国もあぶないことであった。 空魔艦は、若鷹丸探険隊員の手によって、うまく分捕ることができた。しかしこれをどうして日本まで動かしたらいいのであろうかと、大....
蠅男」より 著者:海野十三
鋼鉄とゴムとを組合わせた左の義足だった。 帆村は死人のように青褪め、この奇妙な分捕品を気味わるげに見入った。 折よくそこへ、正木署長が一隊の腕利きの警官をひ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
伐のみぎりに、高島が十代前の祖先の弥五右衛門は藩主にしたがって渡海した。その時に分捕りして持ち帰ったのが彼の二品で、干枯びた人間の首と得体の知れない動物の頭と―....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いう事の働きをするかといえば、まず戦争が起れば乱暴|狼藉を働いて、内地人の財産を分捕りする位の事でとても国の役には立たない。これは畢竟妻帯に原因するので、兵士と....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
五枚冑を戴き、松倉郷、大左文字の太刀脇差を帯びて居た。この大左文字はすぐに信長に分捕られた上にその銘に、表には永禄三年五月十九日義元|討捕刻彼所持刀、裏には織田....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
たような心がして、心苦しくさえ思ったのである。 その後も、惣八郎が金の十字架を分捕りしたという話をする者はあったが、しかしそのできごとについては、誰も一言もい....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
。余り周章てて居るので、相伝の旗を棄てたままにした。本多忠勝の士原田矢之助これを分捕った。堀金平勝忠、武田勢を追いながら、「旗を棄てて逃げるとは、それで甲州武士....