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「分時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
めぐる状に、莞爾して、 「面白い!」 と、投げる様に言棄てたが、恐気も無く、一分時の前は炎のごとく真紅に狂ったのが、早や紫色に変って、床に氷ついて、飜った腹の....
怪星ガン」より 著者:海野十三
さん。ぼくはこれから荷造りをするのです」 「おやおや、そうかい。……でもまだ三十分時間があるね」 救援艇の出発 ニューヨークのエフ十四号飛行場から、十台....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
た天の助があることを思わぬわけにはゆかない。 × × × 大分時は過ぎたがまだ夜は明けない。飛行島の無線室へは、付近航行中の英艦隊より無電が....
軍用鼠」より 著者:海野十三
、うっかりいい心地になっていた梅野十伍は、時計の指針を見て急に慌てだした。彼は随分時間を空費した、早く書き出さねば間に合わない。探偵小説、探偵小説、探偵小説ヤー....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を忘れたので、命にかけて、憧憬れて、それを聞きたいと思いますんです。」 この数分時の言の中に、小次郎法師は、生れて以来、聞いただけの、風と水と、鐘の音、楽、あ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
す場所――片原は、五里半、かれこれ六里遠い。―― 鉄道はある、が地方のだし、大分時間が費るらしい。 自動車の便はたやすく得られて、しかも、旅館の隣が自動車屋....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
は常に嘲笑となる、世に最も賤まるる者は時としては滑稽の材となりて、金沢の人士は一分時の笑の代にとて、渠に二三厘を払うなり。 お貞はようやく胸を撫でて、冷かに旧....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
らえる風情も無かりき。 尉官は腕を拱きて、こもまた和ぎたる体あらず、ほとんど五分時ばかりの間、互に眼と眼を見合せしが、遂に良人まず粛びたる声にて、 「お通。」....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
駈けて下り、裾を伝うて、衝と高く、ト一飛低く、草を踏み、岩を渡って、およそ十四五分時を経て、ここぞ、と思う山の根の、波に曝された岩の上。 綱もあり、立樹もあり....
黒百合」より 著者:泉鏡花
と同時に、吃驚して、 「おお、お雪か、お前! そして千破矢さんはどうした、」と数分時前、夢に渠と我とともにあった少年の名をいった。 お雪はその時答えなかった。....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
、ミリヤアドの顔|蒼ざめぬ。その眉|顰み、唇ふるいて、苦痛を忍び瞼を閉じしが、十分時過ぎつと思うに、ふとまた明らかに※けり。 「肯きませんか。あなた、私を何と思....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ると向うの飯屋へ食いに行って、また煽りつけた。帰りがけに、(おう、翌日ッから、時分時にゃ、ちょいと御飯ですよッて声をかけてくんねえよ。三度々々食いに来ら。茶碗と....
妖怪学」より 著者:井上円了
そ五、六尺を離れて他の一人粛然として端座し、口中に呪文を黙誦することおよそ五、六分時間にして、両手の棒、次第に動揺するを見る。暫時にしてその棒の前端互いに相接し....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
レンチはやっとの事で身を起した。願わくはこのまま車に乗っていて、恐ろしい一件を一分時間でも先へ延ばしたいのである。しかしフレンチは身を起した。そして最後の一瞥を....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
しょう?」 三人の刑事に保護され、無事にホテルを出た。しかし出帆までにはまだ大分時間があるので、運転手は気を利かせ徐行していたので、後から来る幾台もの自動車に....