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分母
「分母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分母の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
すると漸《ようや》くのことで詳わしく事条《じじょう》が解った。 お政の苦心は十
分母の満足を得なかったのである。折角の帯も三円にしかならず、仕方なしにお政は自分....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
川へ通って、民子の墓の周囲には野菊が一面に植えられた。その翌《あ》くる日に僕は十
分母の精神の休まる様に自分の心持を話して、決然学校へ出た。 * ....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
つ起らないとも限らなかったのである。 僕の分別というのはまずこの点に関して、当
分母の口を塞《ふさ》いでおこうとする用心に過ぎなかった。ところがいざ改たまって母....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
労をかける気か」 母は自分で思いをつめて鼻をつまらせた。省作は子供の時から、随
分母に苦労をかけたのである。省作が永く眼を煩った時などには、母は不動尊に塩物断ち....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
らかの反感を、まだ見ぬ規矩男の母に持ったこともあったが、かの女はここにもまた、幾
分母の影響を持つ子の存在を見出して、規矩男もその母もあわれになった。それに規矩男....
「道標」より 著者:宮本百合子
から行った若いものが多計代に、保さんはこっちへ来ていませんか、ときけば、それで十
分母の多計代にとって保の身に何事かあったという暗示になる。そのいきさつの説明とし....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ありさえすれば、いつだって私はよろこんで迎えますよ」 「……結婚する気持が――多
分母様とは違うのよ」 「それはおっしゃるまでもなくわかっているよ」 辛辣な調子....
「樹蔭雑記」より 著者:宮本百合子
。 読んで見ると、好意のある文句で、自分の未来を期待して居る文句がある。 多
分母上は其を見て、私にも送って見せてやりたいと思われたのだろう。 フト心に陰が....
「道連」より 著者:豊島与志雄
一つ吊して、狭苦しい薄暗い室の中で、四十歳ばかりなのと十四五歳ばかりなのとが、多
分母と娘とであろうが、夏の暑い中を毎日せっせと縫物をしていた。夜になると、口髭を....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
売った卵の数は、Xを二で割って、そこへプラス二分の一個です。これをまとめますと、
分母が二、分子がXプラス一となります。仮りにこれをAと置きます。 女教 Aとおく....
「日記」より 著者:宮本百合子
四日 「無題」三枚 六日 坪内先生より葉書母上参上批評を承って来る。 七日 自
分母上行く。原稿を返していただき『中央公論』の秋季増大号に出せたら出し、そうでな....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
そうだろうと思う。僕の父の名で電報が来たから委《くわ》しい様子は分らんけれども多
分母も一緒だろう」小山「御一緒なら結構だが、しかし君のいう通り君の手紙を見て大悦....