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分見
「分見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三人の双生児」より 著者:海野十三
せはしてあったものの、この醜態を自ら見せにゆくほどの勇気がなかった。 「ほう、随
分見事な腹になったネ」 と貞雄は真面目な顔をして入ってきた。彼がそんなに取すま....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ある。 また本土上陸戦がわが特攻隊のために被害甚大となるのを予想して、これを当
分見合わせ、また空中よりの攻撃を強化する。右にのべた八月六日の広島市に初投下せる....
「地球盗難」より 著者:海野十三
へ行ってみようと考えているくらいなんですもの」 「あの魔の森へ? まあ、それは当
分見合わせて置く方がいいと思う。ところでまず第一に訊きたいのは、今から丁度一年ほ....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
にいて、南方に見える筈の富士山を写生していたのだ。つまり直ぐ隣りの南室へ行けば充
分見る事の出来る富士の風景を、わざわざ箱根山しか見えない東室にとじこもって写生し....
「獄中記」より 著者:大杉栄
いで開けて見ると、向う側のちょうど前から三つ目の食器口に眼鏡をかけた山口の顔が半
分見える。 「やあ、来たな。堺さんはどうした? 無事か?」 「無事だ。きのうちょ....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
っかり、ついてくるんだよ、わしを見失っては、だめだよ。……もうすぐそこなんだ。多
分見つかると思うよ。アクチニオ四十五世さ。新月の夜にかぎって、廃墟の宮殿の大広間....
「火薬船」より 著者:海野十三
転士」 と、虎船長は、深刻な表情をして、 「やはり、艦隊へ無電をうつことは、当
分見合わせよう」 「そうですか。見合わせますか」 もと、海軍の下士官だった坂谷....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
るとかして。 社名は兄キの意見通り保文社とかかえる方がよかろう。しかし出版は当
分見合すがいい。そしてもしそんな金があったら、広告の方に費ったらよかろう。 次....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
利加人はそう言いながら、新しい巻煙草へ火をつけました。 「占いですか? 占いは当
分見ないことにしましたよ」 婆さんは嘲るように、じろりと相手の顔を見ました。 ....
「髪」より 著者:織田作之助
がいやに高い。それ故丸坊主になると、私の頭は丁度耳の附根あたりで急に細くなり、随
分見っともないのである。見っともないだけならまだしもだが、何だか破戒僧のような面....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
から大倉男爵や横山大観さんなどの歓送迎会などの席上で、京都でも一粒選りの美人を随
分見る機会がありましたが、目が美しいとか生え際がいいとか、口許が可愛いとか、兎に....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
鞠のように、ぴょんぴょんと、垣の上へ飛ぶのと――柱を前へ乗出した和尚の肩の処が半
分見える。いま和尚の肩と、柱の裏の壁らしく暗い間に、世を忍ぶ風情で、※娜と、それ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
する睚眦の怨は結んでなかなか解けない。時来らば今|一と戦争しようという意気込は十
分見えている。けだし白人種の異人種を征服するは征服されるものから見れば領土の簒奪....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
訊ね返した。ところが夫人の答えは 「いえ、縹渺とほんとに目に現れるのです。私は随
分見ました。方々のよい噴水で」 夫人はそれからベルサイユの噴水中ラトナの水盤の....
「雨」より 著者:織田作之助
のタングステン電球の中には小量の白金が使用されているのがあり、電球一万個に一匁五
分見当の白金がとれるからである。白金は当時、一匁二十九円の高価であった。もと/\....