分陰[語句情報] » 分陰

「分陰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分陰の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
ージ》から順々に見て行くと皆陣中の出来事のみである。しかも倥偬《こうそう》の際に分陰《ふんいん》を偸《ぬす》んで記しつけたものと見えて大概の事は一句二句で弁じて....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
きは当局者である。総じて幸徳らに対する政府の遣口は、最初から蛇の蛙を狙う様で、随分陰険冷酷を極めたものである。網を張っておいて、鳥を追立て、引かかるが最期網をし....
花物語」より 著者:寺田寅彦
俊坊が顔をまっかにして枕をはずしてうつむきに寝ている。縁側へ出て見ると庭はもう半分陰になって、陰と日向の境を蟻がうろうろして出入りしている。このあいだ上田の家か....
茶色っぽい町」より 著者:宮本百合子
「そういうたちよ」 「――誘う水あらば、いなんとぞ思う――?」 「ふむ」 幾分陰気になって、我々は山伏町の通りへ曲った。九時前後で、まだ人出は減っていない。....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
テンゲーリンを滅ぼそうと企てたに違いない。 面はごく優しく見えて居るけれども随分陰謀に富んで居る先生である。それでテンゲーリンの臣下がいろいろの事をやったに付....