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切り取り
「切り取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切り取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
ちゃりんナイフを磨ぐ音がした。博士はナイフをひらめかしてぐさりと燻製肉の一|片を
切り取り、口の中へ放り込んだ。 「いかがでございますな、お味のところは……」 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
けれども、正門までは手入れの行届いた自動車路が作られていて、破墻挺崩しと云われる
切り取り壁が出張った主楼の下には、薊と葡萄の葉文が鉄扉を作っていた。その日は前夜....
「変身」より 著者:カフカフランツ
ーブルの上方の壁には写真がかかっている。それは彼がついさきごろあるグラフ雑誌から
切り取り、きれいな金ぶちの額に入れたものだった。写っているのは一人の婦人で、毛皮....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
れ酒を飲め女を買えと、町人達まで自暴自棄となって悪事|三昧に耽けるようになった。
切り取り強盗、闇討ち放火、至る所に行なわれ巷の辻々には切り仆された武士の屍が横た....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
……その権という泥棒、奥様の実家、五百枝様のお屋敷へ忍び入り、将左衛門様の片耳を
切り取り……」 「あッ」 と松乃は立ち上がった。 「お父様の片耳を! ……権が....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
浪人した。
浪人はしたが食うことができない。
そこで食えない兵馬をかたらい、
切り取りなどを行なったが、いよいよますます食えなくなった。
そこで二人はこう考....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
。従ってここに心の動きの制限された処の、ただ形と光線と色彩との何の奇もなき風景の
切り取り画と人物のスケッチ類の多くが、再び揃えの衣裳によってこの世に並び出したも....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
た画面へ盛る事は出来ない。そこで其現そうとする画面へ、其自然のどれだけを都合よく
切り取り、どんな具合に配置すれば形もよく、見て頗る愉快であろうかを考えなくてはな....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
る簡単ですけれど、扨その手術は決して容易なものではありません。最初は家兎の心臓を
切り取り、その代りに喞筒を置きかえようとしましたが、それは出血がはげしくて、到底....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
が十分麻酔した時機を見はからって、メスと鋏とを以て、胸壁の心臓部を出来るだけ広く
切り取り、然る後心臓嚢を切り開くと、そこに、盛んに活動しつゝある心臓があらわれる....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
に打ちつけられているだけとなった。 この上衣とシャツとは急に体をぐいと動かして
切り取り、それから右舷の横静索を伝って再び甲板に戻った。私は心弱くなっていたので....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
穢らしい行列に敬意を表するために雨中に跪かなかったからといって、その青年の両手を
切り取り、舌を釘抜で引き抜き、体を生きながら焼くように、宣告したりするような慈悲....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のようにあさはかなことを申されまして、おむごたらしいことに根もとからぷっつりとお
切り取りなさいましたのでござります。けれども、五雲様にはまだ満足な左腕が一本ござ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たじゃござんせんかい。まさしく、この野郎は、きのうきょうの騒動につけ込んだただの
切り取り強盗ですよ。下手人のあがり方がちっと手間がとれているんで、そこにつけ込み....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
んす。熊の掌は、からだのどこよりも一番腐りやすいところだから、山で足首だけを鉈で
切り取り、鍋に入れて親子で煮て食っちまいましたんですが。と、答えるのである。やは....